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SAPが生成AI機能を強化 ERP業務の何がどう変わる

SAPは生成AI機能の強化を発表した。企業がデータエコシステムを簡素化してより深い洞察を引き出すため役立つという。

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CIO Dive

 ERPには、洞察や予測分析、生成AIの促進を可能にするデータが豊富に存在している。ERP業界大手のSAPは「顧客がデータのメリットを享受できるよう支援したい」と考え、新たな生成AIサービスを発表した。

SAPのERPは生成AIで何がどう変わる

 企業がデータエコシステムを簡素化してより深い洞察を引き出すの役立つという、新サービスとは。

 SAPは2024年3月6日(現地時間)、「SAP Analytics Cloud」に生成AI「Joule」を組み込むことで(注1)(注2)レポートやダッシュボードの作成を自動化し、データインテリジェンスプラットフォームを提供しているCollibraと提携してAIガバナンスソリューションを開発すると発表した。Collibraは2024年2月、AIガバナンスソリューションの提供を発表している(注3)。

 また、SAPは「SAP Data Warehouse Cloud」の後継として2023年に発表したクラウドデータサービス「SAP Datasphere」(以下、Datasphere)に(注4)、ナレッジグラフ機能を追加した。SAPによると、ナレッジグラフは異種のデータから洞察を生み出し、大規模言語モデル(LLM)のパフォーマンスを向上させ、誤ったアウトプットを抑制するという。

 ERPには、洞察や予測分析、生成AIの促進を可能にするデータが豊富にある。オンプレミスやホストシステムから完全なクラウドベースのSaaS型のERPへ移行する一環として、SAPは、「顧客がデータのメリットを享受できるよう支援したい」と考えている。

 同社は「『SAP HANA Cloud』のデータベース管理システムの契約者向けに、第1四半期末までにベクトルデータベースを提供する予定だ」と述べた。SAPによると、ベクトルデータベースは、検索補完モデルのトレーニングやレコメンデーション、分類、クラスタリングに使用される。

 調査企業であるForresterのリズ・ハーバート氏(バイスプレジデント兼プリンシパルアナリスト)は『CIO Dive』に、「ERPの近代化には初期費用がかかり(注5)、混乱を招く可能性もあるが、長期的には、継続的なイノベーションと自動アップグレードで見返りを得られる」と語った。

 もう一つの利点は「統合の簡素化」だ。

 Datasphereのエコシステムは、SAPのクラウドERPや分析ソリューション、SAP以外のデータ製品とも連携している。SAPとConfluentの統合パートナーシップの詳細も発表された。

 SAPのイルファン・カーン氏(社長兼チーフプロダクトオフィサー)は2024年3月6日のブログ投稿で(注6)、「SAPのデータ戦略の中核は、オープンなデータエコシステムを通じて、世界有数のデータおよびAIベンダーと相互運用できる能力を顧客に提供することである」と述べた。

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