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Copilotだけじゃない会議用AI7選 機能と選定のポイントは?

「Copilot in Teams」や「Zoom AI Companion」などのAI会議アシスタントは、会議の準備や進行、フォローアップなどを支援し、生産性の向上を促す2024年注目のツールだ。本稿では、AI会議アシスタントの機能やトレンド、7つの主要サービスと選定のポイントを紹介する。

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 多くのビジネスパーソンは、カレンダーアプリで1週間の予定を確認するたびに「会議の予定が数多くある中で、頭を使い、生産的な仕事をする時間をどのように見つけられるだろうか」「会議後のToDoをどうすれば管理できるだろうか」といったことに頭を悩ませる。あるいは、「会議に遅れて参加したり、参加できなかったりした場合、重要な議論や決定を逃してしまうのではないだろうか」と不安にかられることもあるだろう。

 そうした課題を解決するツールとして「AI(人工知能)会議アシスタント」がある。本稿では、会議の議事録の記録や要約にとどまらない、AI会議アシスタントの機能やトレンド、7つの主要サービス、それらの選定のポイントを紹介する。

AI会議アシスタント選定時にITリーダーが見るべきポイント

 企業は、会議のワークフローと成果を改善する技術を検討することで、従業員の会議に対する懸念を軽減し、対処できる(注1)。注目を集めているのが、AI会議アシスタントだ。

 2022年にMetrigyが実施した従業員のエクスペリエンスに関する調査では、世界250社の55%がさまざまなAIを活用したビデオ会議の機能の中で、要約やアクションアイテム、メモ、決定事項の記録といった会議中の支援に最も高い価値があると認識していた。

 Metrigyの「ビジネスの成功のためのAI調査 2024年〜2025年」によると、2024年には、生成AIと従業員とのやりとりの中で「会議の要約作成」が最も重要なユースケースになる。世界約700社の企業の約80%がすでにこの種の機能を使用またはテストしている。

 AI会議アシスタントは、会議の前や最中、後にかかわらず多くの役割を果たす。基本的には、機械学習や自動化などの機能を使用して、スケジューリングや再スケジューリング、会議内容の書き起こし、翻訳、メモ取り、会議のまとめ、要約の作成などのタスクを処理する。

 AIの支援により(注2)、会議参加者は議論やプレゼンテーションに集中でき、聞き逃したコメントを録音で確認する必要がなくなるので、時間の節約や業務の効率化、生産性の向上につながる。個人やチームは会議から多くの価値を得られるようになり、会議の体験がより有意義なものとなる。

 Cisco SystemsやGoogle、Microsoft、Zoomなどの会議アプリプロバイダーや、知名度を競う独立系のベンダーにとって、AI会議アシスタントの強化は優先事項だ。これらのプロバイダーの多くは、生成AIの力を活用し(注3)、会議アシスタントとして新たな機能を追加している。

 ITリーダーはAI会議アシスタントの選定時に、基本的な機能以外にも、次のような高度な機能があるかどうかを検討すべきだ。

 ・進行中の会議のキャッチアップ。AIアシスタントは、会議に途中から参加したメンバーに、その時点までの最新の要約を提供する

 ・会議への代理出席。AIアシスタントは、参加者の代わりに、意見を共有し、会議終了後に要約を行う

 ・電子メールによる要約の提供。AIアシスタントは、キーワードやアクションアイテムを把握し、電子メールで参加者に会議の要約を提供する

 ・感情の分析。AIアシスタントは、会議の記録を分析し、否定的な感情やその他の問題を把握し、管理者に警告を発したり、対応策を勧めたりする

 ・会議後の問い合わせ対応。AIアシスタントは、「チームのための上位3つの要点を教えてほしい」といった自然言語による質問に回答する

AI会議アシスタントがコラボレーションを促進する方法

 従業員間の連携の促進と強化もAI会議アシスタントを導入するメリットだ(注4)。会議のあらゆる段階で、AIが従業員の連携をサポートする。

 AIアシスタントは自動スケジューリング機能によって、単発や定期開催にかかわらず、参加者が最大になる最適な時間帯を見付けられる。上記の要約機能を使えば、会議に参加できないチームメンバーも議論に参加できる。チームの進捗(しんちょく)から取り残されたと感じないように、決定事項や必要なアクション、要約を提供することも可能だ。

 会議中、AIアシスタントは、翻訳とキャプションをリアルタイムで提供し、非ネイティブスピーカーを含む全ての参加者が議論に参加できるように支援する。非ネイティブスピーカーを単にフォローするのみならず、共同作業に参加できるようにするのだ。

 チームの活動の経緯を理解した上で、チームが他にどのような共同作業をすべきかを提案させることも可能だ。このような指示は、チームメンバーが目標に向かって進み、プロジェクトの期限を守るために役立つ。チームの連携を深めるためにブレーンストーミングの機能を備えたAIアシスタントもある。これはビジュアルホワイトボードをサポートする会議アプリで、特に便利だ(注5)。

 会議の後、AIアシスタントは会議の録音を分析し、次につながるトピックやトレンドを抽出する。チームマネジャーは、これらの洞察を戦略的な計画に活用し、AIアシスタントによってチーム会議をスケジュールして連携を促せる。

AIアシスタントをビジネスワークフローの一部にする方法

 投資から最大限の利益を得るために、ITリーダーはAI会議アシスタントが日々のワークフローにどのように適合するかを従業員に検討させる必要がある。この検討が、効率性と生産性の向上につながる。

  AI会議アシスタントは製品開発マネジャーを助けるために、プロジェクト管理アプリケーション内で割り当てて追跡するアクションアイテムを収集し、プロジェクトのスケジュール進行を支援できる。顧客サポート担当者が、自動生成された要約を基に顧客の記録を更新し、次のステップを作成してフォローアップミーティングを自動でスケジューリングさせるという使い方もある。

複数の会議アシスタントを使う

 企業のITリーダーは、AI会議アシスタントの基本的な機能を知るだけでなく、従業員のニーズに最適な機能を備え、会議タスクに関連するストレスを軽減するために、複数の選択肢を検討する必要がある。

 Metrigyが世界的に実施した調査「ワークプレース・コラボレーション 2023年〜2024年」に参加した440社の約40%が(注6)、複数の会議アプリを使用している。これらの企業の20%強は、主要な会議アプリに必要な機能が欠けているために複数のアプリを使用している。

 TechTargetの編集部とMetrigyは、AI会議アシスタントを調査する中で、統合コミュニケーションの一部として会議アプリを提供するプロバイダーと独立系ベンダーに注目した。調査には、主要なオプションの市場分析も含まれている。以下では、7つのAI会議アシスタントをアルファベット順に紹介している。

1.Airgram

 Airgramは、会議の要約や翻訳、文字起こしに活用できる。「Google Meet」や「Microsoft Teams」「Zoom」への自動参加機能も備えている。無料版があり、有料プランは、1ユーザー当たり月額18ドルだ。

2.Cisco Webex Assistant

 Cisco Webex Assistantは、「Cisco Webex」の有料ライセンスを購入すれば無料で活用できるアシスタント機能だ。会議のキャッチアップや要約、文字起こし、翻訳の機能に対応している。メッセージの作成や変更、要約もできる。

3.Copilot in Teams

 他のAIアシスタントと同様、Copilot in Teamsは(注7)、会議のキャッチアップや要約、文字起こし、翻訳、感情分析の機能を備えている。メッセージの作成や修正、要約もできる。「Copilot for Microsoft 365」の月額費用は1ユーザーあたり30ドルで、Copilot Proの月額費用は1ユーザーあたり20ドルだ。無料版も利用できる。

4.Fireflies.ai

 Fireflies.aiは、会議のメモや要約、文字起こしの機能を備えている。会議メモや録音、文字起こしについては、「Slack」や「Notion」「Asana」といったコラボレーションアプリと自動連携できる。Fireflies.aiには無料版と、1シートあたり月額10ドル、月額19ドル、月額39ドルの3つの有料プランがある。

5.Gemini for Google Workspace

 以前は「Duet AI」として知られていた「Gemini for Google Workspace」は、会議のキャッチアップや要約、文字起こし、翻訳、感情分析の機能を備えている。メッセージの要約や修正も可能で、電子メール、文書、メッセージの作成も支援できる。ユーザーあたりの月額費用は、ビジネスプランが20ドル、エンタープライズライセンスが30ドルだ。

6.Otter.ai Meeting GenAI

 「Otter.ai Meeting GenAI」(以下、Otter.ai)は、要約、文字起こし、チャットクエリの機能を備えている。電子メールの作成も支援し、クロスプラットフォームにも対応している(注8)。Otter.aiのProバージョンは1ユーザーあたり月額10ドルで、Businessバージョンは1ユーザーあたり月額20ドルだ。

7.Zoom AI Companion

 「Zoom AI Companion」は、会議のキャッチアップや要約、文字起こし、翻訳、感情分析の機能を備えている。メッセージを修正、要約し、メッセージや電子メールの作成も可能だ。Zoomの有料ライセンスを購入している場合、Zoom AI Companionを無料で使用できる。

 これらのAI会議アシスタントは類似した機能を備えているが、特定の機能を異なる方法で提供する可能性がある。特定のアシスタントは会議の要約を別のアシスタントと異なる方法で処理する可能性がある。企業は、既存の会議ワークフローに深く組み込まれているという理由から、Cisco SystemsやMicrosoftのアシスタントを選択するかもしれない。

 このリスト以外にも、幾つかのAI会議アシスタントがある。企業は、従業員とワークフローに最適なものを選定するために、これらの強力な会議ツールを調査しなければならない。

 Metrigyでリサーチを担当するベス・シュルツ氏(バイスプレジデント兼プリンシパルアナリスト)は、ユニファイドコミュニケーションやコラボレーション、デジタルカスタマーエクスペリエンスを専門としている。

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