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激務な理由はレガシーERPにあり? 改善すべきポイントとは

もしかしたら激務の原因はレガシーなERPにあるかもしれない。専門家が「部門によってはデータ収集に勤務時間の60%以上を費やしている」と語った、改善が必須の領域とは。

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CIO Dive

 ある監査法人の専門家は、「レガシーシステム化したERPには、特にサポートが弱い部分がある」「部門によってはデータ収集に勤務時間の60%以上を費やしている」と語った。

 もしかしたら激務の原因はレガシーなERPにあるかもしれない。ERPのモダナイゼーションで改善が必須の領域とは。

ERPのモダナイゼーションで改善すべきポイント

 ERPにデータが集約されていないことや、集約されていてもアクセスできる環境が整っていないことに原因があるという。

 監査法人のEYで税務やテクノロジー、トランスフォーメーションの実務を担当するデイビッド・ニクソン氏は、米国SAPのタックスアライアンスおよび東部地域のTTTリーダーでもある。

 同氏は「税務の領域は、レガシーなERPにおいても最もサポートが薄い部分だ」と述べた。多くのCIO(最高情報責任者)にとってERPのモダナイゼーションは試練の連続であり、税務のアップデートを見落としがちだ。税務の領域をDX(デジタルトランスフォーメーション)に組み込むことで、多くの利益を得られる。

 「賢明なCIOはこれに気付いている。税務部門は比較的小規模だが、重要な業務を担っている。また、それらの重要な業務には、データを取得したり、照合したりする財務部門のメンバーも携わっている」(ニクソン氏)

 ニクソン氏は「多国籍企業のERPのモダナイゼーションにおけるROI(投資対効果)は数千万ドルになる」と語る。その価値の大部分は、モダナイゼーションされたSaaSベースのERPによってアクセスしやすくなるデータにある。

 「税務部門は、データ収集に勤務時間の60%以上を費やしていることがある。ERPにデータが集約されていない場合や、集約されていてもアクセスできる環境が整っていないことがある」(ニクソン氏)

 クラウド、SaaSのERPが業界標準となり、ERP大手企業のSAPが顧客をクラウドに誘導することで(注1)、ソフトウェア市場は2年間続いた成長の鈍化から脱却する予想される(注2)。調査企業のForresterは、今後数年間、市場は毎年12%拡大し、2024年には世界の売上高が1兆ドルに達すると予測している。

 支出の増加には監視が伴う。1年以上にわたって最適化を推し進めてきたCIOは(注3)、クラウドやソフトウェアのコストを価値に結び付けるよう、財務部門から厳しく監視されている(注4)。

 ニクソン氏は「ERPベンダーは、モダナイゼーションの計画に税務の領域を取り入れるメリットに気付いている」と述べた。同様に、企業も税務領域の価値を認識しており、税務の領域が意思決定に重大な影響を及ぼすことを把握しているという。

 「企業が税務の領域をERPのプロセスに組み込む時期は、人々が考えているよりも早いだろう」(ニクソン氏)

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