突如Zoomが発表した「Zoom Workplace」とは 生成AIで何がどう便利になる?
Zoomのオールインワン製品であるZoom One bundlesは、Zoom Workplace bundlesにリブランドされ、2024年4月と同年5月に新規顧客と既存顧客向けにリリースされる。
Zoomは2024年3月25日に、AIを活用したコラボレーションプラットフォーム「Zoom Workplace」を立ち上げ(注1)、AIコンパニオンへのアクセスを拡大すると発表した。
Zoomにおける生成AI活用の道のり
Zoomによると、Zoom Workplaceは社内外のアプリケーションのハブとして機能し、連携機能と生産性を向上させるという。同社は、「Zoom AI Companion」を通じてZoomのプラットフォーム全体に、AIを搭載したアシスタント機能を組み込む。このツールは、ミーティングや電子メール、文書、チームチャットから情報を収集し、統合および共有を行い、会議の準備をサポートする。
同社のオールインワン製品であるZoom Oneは、Zoom Workplaceにリブランドされ、2024年4月と同年5月に展開される。
Zoomは、AIを活用したコラボレーションの領域における新時代を切り開こうとしている。
Zoomのスミタ・ハシム氏(チーフプロダクトオフィサー)は、2024年3月18日の記者会見で、次のように述べた。
「プラットフォームとしてのZoom Workplaceの強化は、Zoomの変革を象徴している。私たちの目標は、企業によるチームワークの再構築を支援することだ」
2023年の第1四半期からAIに関する議論が社内で活発化したように、ZoomのAIへの取り組みは企業顧客基盤の拡大につながった(注2)。しかし、同社の戦略は2023年8月に暗礁に乗り上げた。
Zoomは利用規約を更新し、AIプロジェクトのためにユーザーデータを幅広く管理できるようにしたのだ(注3)。この規約変更により、Center for AI and Digital Policyは2023年8月に連邦取引委員会(FTC)に対して、45ページに及ぶ苦情を連邦取引委員会に送った(注4)。
その後、物議を醸した文言は撤回されたが、この出来事はベンダーの計画と企業のセキュリティ上の懸念との間に生まれる緊張を浮き彫りにした(注5)。調査企業であるGartnerによると、2026年までに、知的財産の流出や著作権侵害を抑制するための企業の支出が増加し(注6)、ROIを悪化させ、生成AIの導入を妨げると予想されている。
Zoomは、リニューアルされた「Zoom IQ」をはじめ、AI機能を追加し続けている(注7)。Zoom IQは、2023年9月のローンチから2023年末までに720万件の会議の要約を作成した。
同社は2024年3月25日に、ユーザーインターフェースの調整、カスタム生成AIを活用したバーチャル背景、ハイブリッドワークフォースの管理方法の追加など、約40の機能やアップデートを発表した。
出典:Zoom launches AI collaboration hub, brings automation to the fore(CIO Dive)
注1:Zoom unveils AI-powered collaboration platform, Zoom Workplace, to reimagine teamwork(Zoom)
注2:Zoom’s enterprise customer base expands as AI push continues(CIO Dive)
注3:Zoom emphasizes customer consent as critics question AI service terms(CIO Dive)
注4:IN THE MATTER OF ZOOM (FEDERAL TRADE COMMISSION 2023)(Center for AI and Digital Policy)
注5:Zoom’s AI terms overhaul set the stage for broader data use scrutiny(CIO Dive)
注6:AI’s copyright problem will soon slow adoption, Gartner says(CIO Dive)
注7:Zoom wants to customize, monetize generative AI assistant, CEO says(CIO Dive)
© Industry Dive. All rights reserved.