OpenAIの最新モデル「GPT-4o」で何ができる? ChatGPTの強化ポイント
OpenAIはChatGPTの有償ユーザー向けに、GoogleやMicrosoftの標準的な形式で表されたデータをより扱いやすくする「GPT-4o」を発表した。
OpenAIは2024年5月16日(現地時間、以下同)、企業内のデータ分析に役立つ機能強化を「ChatGPT」に施した。有償サービス「ChatGPT Plus」「ChatGPT Team」「ChatGPT Enterprise」ユーザー向けに今後数週間で利用可能になる予定で、2024年5月13日に発表した「GPT-4o」で利用できる。GPT-4oはこれまでのテキスト以外に音声や画像などのリアルタイム入力が可能。
ChatGPTが自動的にデータを加工する
今回の強化によってChatGPTがスプレッドシートなどで表されたデータセットを理解し、自然言語による指示でタスクを完了する能力が高まった。具体的には次のようなことが可能となる。
データファイルをChatGPTにアップロードすると、ChatGPTがユーザーの代わりに「Python」のコードを生成して実行し、データを分析する。これまでもChatGPTは大規模なデータセットのマージやクリーニング、チャートの作成、洞察の発見など、さまざまなデータタスクを処理する能力が備わっていた。今回の強化により、データ分析に慣れていないユーザーであっても詳細に分析をしやすくなった。専門家であれば日常的なデータクリーニングタスクにかかる時間を短くできる。
発表文にコメントを寄せたデビッド・ヴォーン氏(The Carlyle Groupのバイスプレジデント)によれば、「ChatGPTは顧客データを分析するためのツールキットの一部であり、ChatGPTは膨大なデータセットをふるいにかける手助けをしてくれる」という。
(1)Google DriveやMicrosoft OneDriveから直接ファイルを追加できる
今回の強化により、デスクトップに分析対象のファイルをダウンロードしてからChatGPTにアップロードするのではなく、「Google Drive」や「Microsoft OneDrive」から直接さまざまな種類のファイルをChatGPTに渡せるようになった。「Google Sheets」「Google Docs」「Google Slides」「Microsoft Excel」「Microsoft Word」「Microsoft PowerPoint」形式のファイルを利用できる。
(2)リアルタイムでテーブルを操作する
ChatGPTにデータセットを追加すると、ChatGPTはインタラクティブなテーブルを自動作成し、フルスクリーンビューに展開する。特定の行や列をクリックして追加の質問を与えたり、ChatGPTが提案するプロンプトから選んで分析を深めたりできる。
毎月の支出を記録したスプレッドシートを組み合わせて、支出の種類別に分類されたピボットテーブルを作成するようにChatGPTに依頼できる。
コメントを寄せたローレン・ノワック氏(Afterpayのマーケティングマネジャー)によれば、「ChatGPTはデータ分析を通して、洞察をより良く理解するのを助けてくれる。仕事をより充実したものに変え、学習にも役立つ」という。
(3)プレゼンテーション用のチャートをカスタマイズできる
棒グラフや折れ線グラフ、円グラフ、散布図をカスタマイズしたり、グラフについてChatGPTと対話したりできるようになった。チャートの要素にカーソルを合わせたり、追加の質問をしたり、色を選択したりできる。完成したチャートをダウンロードしてプレゼンテーションやドキュメントで使用できる。
Google DriveにあるGoogle Sheet形式の最新のユーザーデータを選択し、ChatGPTにコホート(グループ)別の定着率を示すグラフを作るよう指示できる。
新しいインタラクティブ機能では、さまざまなチャートを利用できる。サポートされていないチャートであっても静的なバージョンを生成できるという。
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