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活Teamsか、脱Teamsか セット売り販売終了への反応【調査】「Microsoft 365」価格改定による企業の対応状況

Microsoftが2024年4月に「Microsoft 365」「Office 365」から「Microsoft Teams」(以下、Teams)を分離し、単独製品として提供すると発表した。価格改定に当たって「Microsoft 365」のユーザー企業はプランを変更する意向があるのだろうか。

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 Microsoftは2024年4月1日(現地時間)、「Microsoft 365」「Office 365」から「Microsoft Teams」(以下、Teams)を分離し、単独製品として提供すると発表した。価格改定に当たって「Microsoft 365」のユーザー企業はプランを変更する意向があるのだろうか。キーマンズネットでは、企業の動向を探るために、「Microsoft 365価格改定に関するアンケート調査」(実施期間:2024年4月19日〜5月10日、回答件数:219件)を実施した。

 「Microsoft 365」および「Office 365」の現在の利用プランや、プラン変更の意向、Teams単体製品の利用意向や、使用しない場合の代替製品などを紹介する。

活Teamsか、脱Teamsか セット売り販売終了への反応

 はじめに現在の「Microsoft 365」「Office 365」の利用状況を調査した。全体では77.6%と約8割、1001人を超える大企業帯では9割が利用していると答えた。

 利用中のプランは「分からない」(25.3%)を除くと、「Microsoft 365 E3(エンタープライズ向け)」(22.4%)が最多で、「Microsoft 365 Business Standard(一般法人向け)」(15.9%)、「Office 365 E3(エンタープライズ向け)」(12.9%)、「Microsoft 365 Business Basic(一般法人向け)」(10.0%)と続いた(図1)。「新規に導入予定」とした企業は3.7%だった。


図1 「Microsoft 365」「Office 365」での利用中のプラン

 現在「Microsoft 365」「Office 365」利用している企業、または新規に導入予定と回答した層において、新プランへの移行を検討しているのはどれほどだろうか。

 調査の結果、「計画がある」(7.1%)、「検討中」(22.9%)、「分からない」(37.1%)となった。「計画がある」を従業員規模別にみると、1001人以上の中堅〜大企業では平均5%ほどにとどまったが、1000人以下の中堅・中小企業では平均10%を超えており、新プランへの移行は現状規模が小さい企業に多い傾向にあるようだ(図2)。


図2 プラン変更の意向(Microsoft 365またはOffice 365利用中の企業、新規導入予定の企業)

 移行先、または新規導入先として人気のプランは図3のような結果になった。回答件数が少ないため参考値にはなるが、「Microsoft 365 Business Standard(一般法人向け、Teamsなし)」と「Microsoft 365 Business Premium(一般法人向け、Teamsあり)」が最も多く、15.0%だった。


図3 移行または新規導入を予定している新プラン(Microsoft 365またはOffice 365利用中の企業、新規導入予定の企業)

 なお、主に300人以下の中小企業に推奨される「Microsoft 365 Business Basic」や「Microsoft 365 Business Standard」「Microsoft 365 Business Premium」「Microsoft 365 Apps for business」といった一般企業向けのbusinessプランについては、新旧のバージョンと価格体系が併存し、Teamsを含むスイート製品、もしくはTeamsを含まない新バージョンを選択することができる。

一般企業向けプラン(Teamsあり) 価格(1ユーザー/月)
Microsoft 365 Business Basic 899円
Microsoft 365 Business Standard 1874円
Microsoft 365 Business Premium 3298円

 以下が一般企業向けのTeamsなしのプランだ。

一般企業向けプラン(Teamsなし) 価格(1ユーザー/月)
Microsoft 365 Business Basic(no Teams) 712円
Microsoft 365 Business Standard(no Teams) 1536円
Microsoft 365 Business Premium(no Teams) 2961円

 大企業向けプランの既存顧客はTeamsを含むプランを継続して利用できる他、新バージョンに移行したい場合は契約更新時に切り替えられる。

大企業向けプラン(Teamsなし) 価格(1ユーザー/月)
Office 365 E1 (no Teams) 1161円
Office 365 E3 (no Teams 3110円
Office 365 E5 (no Teams) 5359円
Microsoft 365 E3(no Teams) 5059円
Microsoft 365 E5(no Teams) 8208円

 Teams単体製品のプランとしては「Microsoft Teams Enterprise」と「Microsoft Teams Essentials」が用意されている。前者は人数の制限なく会議やチャット、通話(VOIP)、コラボレーションの機能を提供し、会議参加者は1000人まで可能だ。後者は300人を上限に同様の機能を提供し、会議参加者の上限を300人とする。

Teams単体製品 価格
Microsoft Teams Enterprise 787円
Microsoft Teams Essentials 599円

一般企業向けプラン、エンタープライズ向けプランに分けて移行の流れを調査

 次に、現在、一般企業向けプランを利用している企業と、エンタープライズ向けのプランを利用している企業に分けて、移行先として人気のプランを調査した。

 こちらもN数が少ないので参考値にはなるが、「Microsoft 365 Business Basic」や「Microsoft 365 Business Standard」「Microsoft 365 Business Premium」「Microsoft 365 Apps for business」といった一般企業向けのbusinessプランを利用している6人の回答者の移行先プランは以下だ。

 「Microsoft Business Premium(一般企業向け、Teamsなし)」(50.0%)が最も多く、「Microsoft Apps for enterprise(エンタープライズ向け、Teamsなし)」「Microsoft 365 E3(エンタープライズ向け、Teamsなし)」「Microsoft 365 E3(エンタープライズ向け、Teamsなし)」 や「Microsoft 365 Business Standard(一般法人向け、Teamsあり)」が全て16.7%だった。

 同様に、現在Microsoft 365 E3/E5やOffice 365 E1/E3/E5などの大企業向けプランを利用している回答者(7人)に対して移行先として予定しているプランを聞いた。「Microsoft 365 E5(エンタープライズ向け、Teamsなし)」が(28.6%)と最も多く、「Office 365 E5(エンタープライズ向け、Teamsなし)」「Microsoft 365 Apps for enterprise(エンタープライズ向け、Teamsなし)」「Microsoft 365 E3(エンタープライズ向け、Teamsなし)」「Microsoft 365 Business Standard(一般法人向け、Teamsなし)」「Microsoft 365 Business Premium(一般法人向け、Teamsあり)」が全て1票ずつと14.3%だった。

Google MeetにZoom……Teamsの“代替ツール”として選ばれるのは?

 なお、Teamsを含まないプランに移行、新規導入する予定の回答者に、チャットやビデオ会議といったTeamsの機能をどの製品で実現するかをフリーコメントで聞いたところ、「Google Meet」(Google Workspace)や「Zoom」「Slack」「WebEX」などが挙がった。

 その理由としては「Google Workspaceを主で利用しているので、Google Meetの利用になると思う」などTeams以外でコミュニケーション環境を構築していたケースや、「Zoomの有料版を数量を限定して契約予定」など、Web会議をTeams以外に切り替える判断をしたケースなどがあった。中には「Windows OSそのものの利用を控えることが生産性向上に直結しているため、システムの入れ替えに合わせて順次廃止、代替え手段に移行している」など、今回の価格改定を機にシステム環境そのものを見直す企業もあるようだ。

 以上、2024年4月に発表された「Microsoft 365の価格改定」に対する企業の反応を紹介した。ただし発表から日が浅いこともあり、まだまだ様子見の企業も少なくないようだ。キーマンズネットでは今後も企業の動向を注視しつつ、定期的に調査結果を共有したい。

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