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会社に吸い上げられる社内チャットやビデオ会議システムのデータ……何に使われる?

企業のコラボレーションデータの重要性が見直されている。企業はどのような用途で従業員のコラボレーションデータを利用しているのだろうか。

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 チームのコミュニケーションデータや、協同作業の活動記録、会議の参加状況といった企業のコラボレーションデータの重要性が見直されている。企業はどのような用途で従業員のコラボレーションデータを利用しているのだろうか。

吸い上げられるコラボレーションデータ、何に使われる?

 企業は、従業員のコラボレーションデータの価値と可能性を認識する必要がある。コラボレーションデータの用途は、アプリケーションのパフォーマンスの評価や最適化にとどまらない。コラボレーションデータを分析することで、協同作業や生産性、ウェルネスの改善に役立つ洞察を得られ、従業員体験を向上させることができる。

 従業員体験が高い企業は、従業員を理解するために、チームチャットやビデオ会議などのアプリケーションから得られるコラボレーションデータが不可欠であると考えている

 調査企業であるMetrigyは、499社を対象に従業員体験に関するグローバル調査をした。499社の半数以上が、従業員体験に関する取り組みの一環としてコラボレーションデータを活用していた。このデータを活用することで、企業は従業員が1日で「どれくらいの頻度で、どのような方法で、誰とデジタル交流しているのか」を把握できる。

 企業は、コラボレーションデータを個人で共有したり、チームリーダーや他の管理職が集計して閲覧できるようにデータをロールアップしたりできる。コラボレーションデータは、従業員が社内ソーシャルネットワークや社内ポータルを通じて会社や同僚とどれだけデジタルで関与しているかを示すエンゲージメントデータや、従業員調査やアンケートでの従業員の意見を補完するのに有用だと企業は理解している。

 フロリダ州オーランドで開催されたカンファレンス「Enterprise Connect 2024」のセッションで、ユニファイドコミュニケーション(UC)業界のインサイダーがコラボレーションデータの隠れた価値について議論した。業界の専門家たちは、コラボレーションデータを最大限に活用するための3つのヒントを共有した。

1.チームのエンゲージメントと生産性を高める

 コラボレーションデータを活用することで、チームマネジャーは「会議中に電子メールやチームチャットを送信する行動が急増しているかどうか」など会議中の心構えを把握できる。もしそうであれば、チームメンバーは会議や、電子メールおよびメッセージの送信時に十分な注意を払っていないことになる。チームメンバーは、これらのネガティブな行動を見て、同じように行動しているのだろうか。これは、メモを取ったり要約したりするための会議アシスタントの使用や、会議への出席について話し合う機会になる。

 Microsoftのライアン・ネーデル氏(プリンシパルプロダクトマネジャー)は、Enterprise Connectのセッションで「会議のパターンを可視化することで、チームマネジャーは1対1のミーティングにどれだけの時間が費やされているかを確認できたり、チームメッセージのやりとりが仕事の流れや時間外での業務にどのような支障をきたしているかを分析したりできる」と述べた。チームマネジャーは、コラボレーションの問題に対処して、自分自身だけでなくチームの生産性への影響を測定する必要がある。

2.適切な会議文化の確立

 企業は会議データを研究することで、従業員の行動などから多くを学べる。ミーティングの参加時間を守れているかどうかや、積極的に参加する場合と受動的に参加する場合の滞在時間を追跡することも可能だ。会議への参加時間を厳守できていない場合、開始や終了が遅れるのか、会議が遅れて始まり長引く場合、消極的な参加者や他の全員は、1日のうち会議にどれだけの時間を費やしているのかといった疑問が生まれるだろう。

 分析プラットフォームを提供するVyoptaのジョナサン・サス氏(プロダクトとマーケティングを担当するバイスプレジデント)は、コラボレーション行動のデータを手にすることで、企業のリーダーはミーティングに関するポリシーを設定し、文化的規範を確立するためのベンチマークを把握できると指摘する。

 人事部門が時間通りにミーティングに参加することの重要性について広報し、幹部が率先して実践するのもよいだろう。企業のリーダーは必要不可欠な人材だけに会議への招待状を送り、他の利害関係者や影響を受けそうな人には会議のメモや要約を送るという方針を定めるかもしれない。リーダーは従業員に対して、積極的な参加者ではなく受動的な参加者となってしまう会議を欠席しても構わないことを伝える必要がある。

 サス氏は「ある顧客は、コラボレーション行動データから洞察を得て、従業員が会議に参加する時間を週当たり22分短縮できた」と述べた。同氏は、組織が数千人の従業員のデータを年単位で調査することで、生産性が急速に上がる可能性があると付け加えた。

3.パーソナライズされたデータフィードの活用

 「Microsoft Teams」(以下、Teams)のユーザーは、パーソナライズされていてスクロール可能なフィードを利用して、特定の人々からの投稿や特定のトピック、特定のチャンネルのユーザーの投稿を素早く確認できる。ネーデル氏は「Microsoftは、Teamsの協力と生産性エコシステムから収集したデータのおかげで、この『パーソナライズされた関連性ランキング』を提供できた」と述べた。パーソナライズされた製品体験は、従業員の行動データを利用して作られる。パーソナライズされたデータフィードを有効にすることで、従業員は情報の発見を合理化でき、最終的には生産性を向上させる。

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