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生成AI戦国時代、Googleの切り札はOpenAIに勝てるのか?

GoogleからもAIモデル「Gemini」に関する発表があった。同社は生成AIで競合他社とどのように戦うのか。GeminiがOpen AIよりも先んじて実現したこととは。

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CIO Dive

 OpenAIやMicrosoft、AWS(Amazon Web Services)などがこぞって生成AIに関するアップデートを発表している。そんな中、GoogleからもAIモデル「Gemini」に関する発表があった。同社は生成AIで競合他社とどのように戦うのか。GeminiがOpen AIよりも先んじて実現したこととは。

Googleの本気が見えるGeminiのアップデート

  Googleは2024年5月14日(現地時間、以下同)に、I/O conferenceで「Geminiへの企業アクセスを拡大し、機能を改善し、モデルポートフォリオを追加する」と発表した。

 Gemini 1.5 Proは現在、「Gmail」「Google ドキュメント」「Google Drive」「Google スライド」「Google スプレッドシート」のサイドパネルで利用できる(注1)。Googleは、Gemini 1.5 Proをアップデートし(注2)、画像をより正確に理解できるようにした。また、より小型のモデルであるGemini 1.5 Flashを導入し、「Gemma」の2つのモデルをポートフォリオに追加した。

 Geminiが提供する機能によって、文脈に応じたスマート返信や要約、質問応答機能の面で、Gmailのモバイルアプリも強化される。

 Googleは、かつてChatGPTの成功に驚かされたが、再び後れを取ることは望んでいない。

 Gartnerのチラグ・デカテ氏(バイスプレジデント・アナリスト)は、CIO Diveに対して「今日のGoogleは、AIに関するイノベーションリーダーとして歩みを進めている」と語り、OpenAIによる最初のマルチモーダルモデルの発表は、Googleの発表よりも5カ月後だったことを指摘した(注3)。

 また、デカテ氏は「Googleには、自社の製品群全体に新しいモデルを組み込むことができるという利点もある」と語った。

 現在、Googleの全ての製品はGeminiを使用している。サンダー・ピチャイ氏(CEO)によると、100万人以上のユーザーが、以前は「Bard」として知られていた会話用のAIツール「Gemini Advanced」を試すためにサインアップしたという(注4)。

 Googleによると、この1年間で数万社がWorkspaceで生成AIを使用している(注5)。

 ピチャイ氏は、I/O conferenceで次のように述べた(注6)。

 「マルチモーダリティとロングコンテクストという2つの技術的進歩は単独でも強力だが、両方を組み合わせることで、より深い能力とより高度なインテリジェンスが引き出される。そして、これはGoogle Workspaceで実現される」

 Googleによると、これらの機能が利用できるようになると、ユーザーはGeminiに最近の電子メールを要約させたり、添付ファイルを分析させたり、重要なポイントやアクションアイテムを提供させたり、見逃した会議のハイライトを表示させたり、電子メールの返信を下書きさせたりできるようになるという。

 Googleの生成AIに関するアップデートは、競合他社による一連の発表に続くものだ。Microsoftは2024年5月13日に、「Microsoft Copilot」に接続できるAI搭載のハイブリッドオフィス管理アプリ「Places」を発表し(注7)、AWSは同年4月の決算発表の後に、生成AI搭載アシスタント「Amazon Q」の一般提供を開始した(注8)。

 OpenAIも2024年5月13日に春のアップデートセッションを開催し、ミラ・ムラティ氏(最高技術責任者)が自社の進捗状況を報告した。ムラティ氏は同日のセッションで、フラッグシップモデル「GPT-4o(GPT-4 Omni)」のアップデートを発表した(注9)。

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