Teamsで生産性向上の効果が高いCopilotの8つの使用例
MicrosoftのAIアシスタントである「Copilot」は、Microsoft Teamsのミーティングを要約し、アクションアイテムを作成し、対処が必要なコミュニケーションギャップを指摘する。
Microsoftの「Copilot」は「さまざまなタスクや活動に対して個別にアシストすることを目的としたAI搭載のデジタルアシスタント」だ。Microsoftは、OpenAIの「GPT-4」と「GPT-4 Turbo」を搭載し、リアルタイム生成AIの力をMicrosoft 365のアプリケーションポートフォリオに統合した。「Outlook」や「Project」「Excel」「PowerPoint」「Teams」などのアプリケーションを使用するユーザーの生産性を高められる。
中でも企業におけるコミュニケーションの中核を担う「Teams」とCopilotの組み合わせは、最も気軽に利用でき、その効果を実感しやすいとも言われている。本稿では、Teamsにおける会議やチャット、チャネル、「Teams電話」でのCopilotの使用例について、特に生産性向上の効果が高いものを紹介する。
Copilotを日々のビジネスコミュニケーションにどのように取り入れられるのか。
TeamsでCopilotを最大限生かすための8つの使用例
会議中および会議後におけるCopilotの4つの使用例
現在のCopilotの最も一般的なユースケースは、チームや顧客とのミーティングでの利用だ。
Copilotは、チームミーティングを監視し、主要な議題や提案されたアクションアイテムや責任と成果物を強調するプロセスを自動化する。この機能により、出席者全員に要約が提供され、出席者は自分の役割と責任を認識できる。Copilotは、リアルタイムで会議を要約できる。出席者が遅れて会議に参加した場合、Copilotのサマリーを確認して、すぐに会議に参加できる。
Copilotを使用すると、会議に集中できるため生産性が向上する。会議でのディスカッションに基づき、会議リーダーは自然言語での質問を使用して、次のような項目を判断できるようになる。
・特定のトピックに関する意見の一致または不一致、意見の不一致に対する解決策やギャップが生じているポイントを見つける方法
・質問されるべきであるにもかかわらず、まだ出てきていない質問
・概念やアイデアを読みやすい表にまとめる方法
・次のステップと役割、責任に関する提案
チャットとチャンネルにおけるCopilotの4つの使用例
Copilotは、Teamsのチャットにおいて、ユーザーの整理整頓と作業スケジュールの優先順位付けに大いに役立つ。Copilotはエンドユーザーの視点からチャットを確認し、次のような項目を識別して強調できる。
・チームメンバーや顧客からの質問をはじめとする過去の主要事項
・重要な決定事項
・タスクの締切
・複数の参加者を必要とする仕事を支援できる人物
ユーザーは自然言語でCopilotに質問できる。
Copilotは、チャットメンバーがいつ、どこで重要な発言をしたかを特定する強力な検索ツールとしても使用できる。共有されたコンテンツやフィードバック、追加情報を共有する必要がある場所を迅速に見付けることができる。これにより、複数の会話スレッドにまたがる何千行ものチャットコンテンツを手作業で検索するのに比べ、多くの時間を節約できる。
Teams電話におけるCopilotの使用方法
会議やチャットでCopilotを使うときは、質問を使って情報を入力する必要がある。一方、Teams電話のCopilotのAI機能はより自動的で、整理や管理タスクに適している。Copilotは自動的に通話のトランスクリプトや要約を作成し、参加者が迅速に参照できるようにする。
会議におけるCopilotと同様に、Teams PhoneのCopilotでも、決定事項や未決事項を特定できる。通話に参加していない人のために、他のチャットや電子メールに簡単に貼り付けできるアクションを作成できる。
TeamsにおけるCopilotの欠点
他の新しいテクノロジーと同様に、CopilotのようなAIベースのツールにもユーザーやビジネスリーダーが注意しなければならない欠点がある。その最たる例が、データや情報のプライバシーに関する懸念だ。
Copilotにビジネスコミュニケーションを細かく分析および解釈させるためには、これらのコミュニケーションを収集し、それを学習モデルに入れて自己学習させる必要がある。問題は、データが別のリポジトリに存在するため、紛失したり盗まれたりする可能性があることだ。
エンドユーザーは、アシスタントとしてのCopilotの優れた機能を活用して生産性を高める方法を学ぶ必要がある。多くのユーザーはツールの能力と限界を理解するために学習曲線を経験するだろう。ユーザーはAIツールを信頼しなければならない。はじめのうちは、ユーザーがよく求める情報に基づいたツールの使い方や、ニーズに合わせたツールの使い方の学習に時間を割く必要があり、AIアシスタントの使用により生産性が低下する可能性もある。
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