「生成AI活用に乗り気じゃない」 お金、セキュリティ以外の理由とは
生成AIのメリットが語られる一方で、関心を示さない企業もある。期待や理想が膨らむ中で、「活用に積極的じゃない」と考える理由はどこにあるのだろうか。
さまざまな業界や産業で生成AIをビジネスや業務に活用しようと、取り組みが進められている。キーマンズネットが実施した調査「生成AIの活用意向と利用状況」(実施期間:2024年5月24日〜6月7日、回答件数:219件)の集計結果を見ても、「勤務先では業務において生成AIの利用に関心があるか」との問いに対して、「やや関心がある」(41.1%)、「大変関心がある」(37.9%)となり、大多数が「関心がある」と回答した。
一方で、「あまり関心がない」(14.2%)、「全く関心がない」(6.8%)と、回答者の21%が「関心がない」と答えた。その裏にはどのような理由があるのだろうか。
「生成AI活用に積極的じゃない」お金、セキュリティ以外の理由
「あまり関心がない」「全く関心がない」とした回答者に対して、勤務先で生成AIに対する関心が希薄な理由を尋ねた。よくある理由として「経営層の理解が得られない」「利用コスト」「セキュリティ」などが挙げられるが、理由はそれ以外にあった。裏を返せば、次に挙げる点を解消することで、前に進む可能性もあるということだ。
勤務先が生成AIに関心を示さない理由として最も多く寄せられたのが「効果や活用方法が分からない」といったコメントだ。万能が故にできることは多岐にわたり、どう使えばどのような成果が得られるのかが分からないことが一番の理由として挙がった。
具体的には「生成AIを業務に取り入れることで何が起こるかがよく理解できていない」「業務の中で生成AIの使いどころが分からない」「活用対象(とする業務)が想定できない」「実用性がよく分からない」「効果が不明瞭」といったコメントだ。
その他「まだ実用(のレベル)には至っていない」「費用対効果が計れない」「まだ事例が少なく、リスクを把握しきれていない」「アウトプットのクオリティーが極めて低い。求めるレベルには程遠い」など、費用対効果を定量的に評価できない点や未熟な精度を理由に挙げるコメントもあった。
「ChatGPTやCopilotの活用が進まない“3つの理由” ユーザーが答えた切実な課題」の後半でも紹介した通り、ドキュメントの作成の他、翻訳、ソースコードの生成、調査、情報収集など、多様なシーンで活用できるからこそ、自社の課題を明確化することがより重要となるだろう。
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