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生成AIの導入を見送った組織はわずか6% セキュリティ、ガバナンスは意識低めかCIO Dive

Capgeminiの調査によると、10社に9社は生成AIについて試験的な導入や本格的な導入を検討しているという。一方でセキュリティやガバナンス、公平性には不安も残る。

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CIO Dive

 コンサルティング企業のCapgeminiが2024年7月22日に発表した調査によると、10社に9社は生成AIについて試験的な導入や本格的な導入を検討しているという(注1)。導入を見送ると回答した企業は6%だった。

生成AIの導入が効果をあげ始めている

 生成AIを導入する領域として多かったのは(注2)、ITやリスク管理、ロジスティクスであり、営業や顧客管理、財務、人事が続いた。

 生成AIの導入により、組織は生産性やCX、業務効率、営業において、わずかではあるが目に見える効果を得ることができた。組織の生産性は平均して7.8%向上し、顧客エンゲージメントは6.7%向上した。

 企業は、生成AIの導入によって成果を得られることを歓迎しており、職場における導入が増加している(注3)。しかし、多くのメンテナンス作業(注4)(注5)、ベンダーからの迅速な導入要請(注6)、デジタルトランスフォーメーションの目標が(注7)、短期的な進展を妨げる要因となっている。

 Capgeminiによると、生成AIに関するデータの使用やアクセス権、セキュリティの詳細を文書化したポリシーを持っている組織は半数以下である。3分の2以上の企業は、風評被害や顧客体験の低下につながるモデルの偏りを懸念している。さらに、モデルの公平性やその基礎となるトレーニングデータに対する不透明さも問題視されている。

 それでも希望は残っている。

 Capgeminiの調査によると、多様な分野の経営幹部の4分の3近くが「生成AIは収益とイノベーションを促進する」と回答しており、これは2023年の60%から増加している。

 生産性の向上も期待されている。経営幹部の5人に4人以上は、今後3年以内にAIエージェントを導入し、作業用の電子メールの生成やコードの作成、データ分析などの業務を自動化しようと考えている。

 経営陣が2025年の方向性を描く中で、導入に積極的な企業は生成AIへの投資を増加させている。しかし、経営陣は成功の測定方法や無駄な支出を回避する方法に頭を悩ませている(注8)。この技術に関する予算の割合が高くなるにつれ(注9)、投資収益率の基準を達成するようCIO(最高技術責任者)への圧力も高まるだろう。

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