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突発的なITシステムダウン AIで対応できるのか

システム管理者にかかる圧力は増える一方だ。サイバー攻撃はもちろん、突発的なシステムダウンの対応にも備えなければならない。AIは負担軽減に役立つのだろうか。

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CIO Dive

 ある調査によれば、AIのスキル不足が仕事の安定性に影響を与えたり(注1)、同業他社に後れをとったりする原因になるという。だが、この意見に反対する声もある、システム管理者の間でも意見が分かれている。ここで生じる疑問は社内のITシステムが広範にダメージを受けたような場合に、AIのスキルが役立つかどうかだ。

 この調査(年次報告書)を2024年7月25日に発表したのはサイバーセキュリティ事業を営むAction1だ。

 この調査では450人のシステム管理者を対象とした。10人中7人以上のシステム管理者がAIトレーニングの必要性を認めており、2023年の調査結果(63%)よりも増加えていた。だが、システム管理者の5人に3人は「現在のプロセスを改善するためにAIを導入する方法を知らない」と回答した。

 ワークフローにAIを追加することはいまだに一般的ではなく、AI技術を取り入れているのは5社に1社だ。システム管理者は「AI技術はログ分析やトラブルシューティング、インシデントの検出と修復に最もよく使われている」と回答した。10社に1社以上の企業によれば「AIがエラーを起こし、混乱につながった」という。

2024年7月の試練には人力で対応

 2024年7月26日は第25回の「システム管理者の日」だった(注2)。この記念日はシステム管理者の労をねぎらう穏やかなこのイベントだ。だが、2024年は世界中に広がったIT障害のために大変な騒ぎになった(注3)。あらためてITサポート要員の重要な役割が明らかになった日でもあった。

 サイバーセキュリティ事業を営むCrowdstrikeのプラットフォーム「Falcon」のソフトウェアアップグレードの不具合は広範囲に及び、世界中のさまざまな業種の企業に影響を与えた。約850万台のWindowsデバイスが影響を受け(注4)、顧客は終わりのないリブートのループに陥った。保険サービスを提供するParametrixは、この混乱が「Fortune 500」に数えられる企業に直接損害を与え、その額は約54億ドルに上ると推定した(注5)。

 コンサルティング企業のInfo-Tech Researchのマーク・タウシェック氏(リサーチフェローシップを担当するバイスプレジデント兼アナリスト)は次のように述べた。

 「システム管理者は一般的に仕事を楽しんでいる。だが、災害やビジネスに影響を与える出来事があると、問題を解決してサービスを復旧させなければならないというプレッシャーが強くなり、強いストレスを感じる」

 システム管理者は、コンピューターシステムを管理し、サーバを稼働させ、ITサポートを担当する。問題を迅速に発見し、解決することを任務とするこれらの従業員は、通常、何か問題が発生したときの最初の防衛線となる。

 ITサービスを提供するAiden Technologiesのジョシュ・アーロン氏(CEO)は次のように述べた。

 「2024年7月19日に起こったCrowdStrikeによる大規模障害は、何百万台ものコンピュータと企業に影響を及ぼした。また、システム管理者とIT専門家が果たしている重要な役割と、それに伴う大きなプレッシャーを明らかにするものだった。多くの従業員が24時間体制で働き、週末を犠牲にして、ビジネスの復旧を急いでいる」

 オンラインコミュニティサービスを提供するSpiceworksによると、危機の際に、ITリーダーは効果的なコミュニケーションを図り、忍耐し、システム管理者の判断を信頼し、その努力を認めることで、システム管理者をサポートできるという(注6)。

 「サービスが復旧した後は、システム管理者の努力を組織全体に伝え、食事会や集まりを開催してリラックスできる環境を提供し、楽しんでもらうことが重要だ。システム管理者が適切な評価を受けられるようにしてほしい」(タウシェック氏)

人手で24時間の対応はキツい

 他の職務と同様にIT管理者も、生成AIの潜在的な影響に直面している(注7)。米国労働統計局の予測をSpiceworksが分析したところ(注8)、米国におけるITサポートとシステム管理の仕事は、2022年から2032年の間に125万人から131万人に微増すると予想されている。

 「多くのIT専門家と同様にシステム管理者は、AI技術の急増やサイバーイベントのリスクの増加に対応し、自分たちの仕事に役立つ最新情報を常に追い求めている」(タウシェック氏)

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