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生成AIで数億ドルのコスト削減? AI合戦に参戦したSalesforceの野望

Salesforceのマーク・ベニオフ氏(CEO)によると、2024年10月に一般公開される予定のプラットフォーム「Agentforce」は、アーリーアダプターの間で成功を収めているようだ。

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 Salesforceの生成AIエージェント「Agentforce」は、顧客や従業員との対話を通して、課題を発見やタスクの優先順位付け、質問や要望への対応などを自律的に実施するものだ。ある企業においては、AIエージェントの活用により、従来の技術と比較して顧客満足度と逸脱率が2桁の向上を見せ、問題解決率も50%増加したという。

 同社は、この自立型生成AIエージェントに注力しており、他の主要プレーヤーも参入している状況だ。SalesforceによるAgentforceの展望や、生成AIエージェントのトレンドを解説する。

生成AIエージェントで仕事はどう変わるのか

 Salesforceのマーク・ベニオフ氏(CEO)は、2025年第2四半期の決算説明会で次のように述べた。

 「当社は、人間とデジタルエージェントが『共に顧客の成功を促進する』未来に備えるため、生成AIエージェントの集合体であるプラットフォーム『Agentforce』に注力している」

 この自律型の生成AIエージェントは、カスタマーサービスチームから仕事を奪うものではなく、強化するものだという。ベニオフ氏によると、Agentforceの重要な機能の一つは、チャットbotと人間の連携をシームレスにするものだ。

 ベニオフ氏は電話会見で、「私たちの分析と可視化の能力は引き続き維持され、営業組織やサービス組織で人間も引き続き活躍するが、それら全てをこの驚異的なエージェントの能力で強化していく予定だ」と語った。

 Salesforceは、自律型の生成AIアシスタントと人間のエージェントの連携を推進するトップベンダーとしての地位を確立しようとしているが、他の主要プレーヤーとの競争も激しくなりそうだ。

 Agentforceのアーリーアダプターの中には、2024年10月の一般公開に先立ち、導入の成功を報告した企業もある。

 教科書出版企業のWileyは、新学期シーズンに合わせてAgentforceを導入し、この時期にピークとなるカスタマーサービスの対応を強化した。ベニオフ氏によると、AIエージェントの活用により、従来の技術と比較して顧客満足度と逸脱率が2桁の向上を見せ、問題解決率も50%増加したという。

 Salesforceは生身のエージェントの重要性を強調したが、このテクノロジーはすでに人に影響を与えている。ベニオフ氏によると、AIエージェントを活用したことで、Wileyは新学期ラッシュに対応するための有期従業員の雇用を減らすことができたという。

 「企業は引き続き人間を必要とするが、同時にこれらのエージェントも必要になるだろう。これらのエージェントはアクションを起こすために会話型のプロンプトを必要とせず、人間によるわずかな入力で高度な計画や推論の立案を実現する」

 Salesforceだけでなく、他の企業も生成AIエージェントの分野に参入している。Microsoftは、同社の「Dynamics 365 Contact Center」に生成AIアシスタント「Copilot」を活用し、コールセンターのワークフローを最適化することで、2024年第4四半期の収益を押し上げたとしている。

 Microsoftのサティア・ナデラ氏(CEO)は決算説明会で、次のように語った。

 「当社は、顧客サポートやコールセンターに生成AIエージェントを導入して数億ドルのコスト削減を達成しようとしている。この価値を顧客にも提供できると考えている」

 価格モデルもコンタクトセンターのプロバイダー選択に影響を与える可能性がある。ベニオフ氏は、Agentforceのエージェントの価格モデルは使用量に基づくもので、企業の会話数に応じて料金を課すと示唆した。

 すでに別の価格モデルも登場している。Zendeskは、2024年8月28日に発表したように、自社のAIエージェントについてパフォーマンスに基づく料金体系を計画しており、コストと成果を連動させるとしている。

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