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インサイドセールス専門ツールがAI機能を本核搭載 何がすごいのか

インサイドセールス向けのツールを提供するHubSpotは、同社のユーザー会議「Inbound」において、Breeze AIの傘下にある一連の生成AIツールを発表した。どのような機能を利用できるのか。

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 インサイドセールス向けのツールを提供するHubSpotは、同社のユーザー会議「Inbound」において、Breeze AIの傘下にある一連の生成AIツールを発表した。その中には既に利用可能なものもあれば、β版のもの、今後提供予定のものも含まれている。

 HubSpotのユーザーは、同社のマーケティングおよびセールスプラットフォームに生成AIが導入されることを辛抱強く待っており、その願いがついにかなうようだ。どのような機能を利用できるようになるのか。

ユーザー待望 HubSpotの生成AI機能は何がすごいのか

 AIツール群「Breeze」のエージェントは、マーケティング用のコンテンツを生成し、サービスのためにユーザーの顧客とコミュニケーションを取り、販売支援やソーシャルメディアの監視もする。

 2023年にリリースされた、生成AIを使ったマーケティングおよび営業支援ツール「ChatSpot GPT」の次世代版である「Breeze Copilot」は、現在β版だ。「Breeze Intelligence」は、企業全体のデータを集約し、販売およびマーケティングチームに顧客の全体像を提供し、よりパーソナライズされた効果的な提案を支援する。HubSpotのクラウド全体で、コンテンツやマーケティングハブ向けの多数のコンテンツ生成ツールを含む、80以上のBreezeの機能が追加される(一部は今後追加予定)。

 Inboundで発表された200の新機能の全てが生成AIに関わっているわけではないが、幾つかは密接に関連している。従来はマーケティング分析やマーケティングアトリビューションを実施する際、HubSpotの機能や操作に対する深い知識が必要だったが、現在では生成AIを活用した自然言語クエリで対応できる。

 調査企業であるConstellation Researcのリズ・ミラー氏(アナリスト)は「HubSpotは、競合他社と比べて、営業やサービス、マーケティング、コンテンツなどのツール類を、競合他社と比べてより中堅・中小企業向けにアピールする方向で組み立てていると述べた。またHubSpotは、大企業においても部門単位や地域の拠点で支持を得ている。

 「中小企業にとっても大企業にとっても、Hubspotは特定の機能に特化している。ローカルオフィスに特化したツールを導入する必要がある場合、HubSpotのサービスやマーケティングクラウドを迅速に展開できる。中規模企業にとって、HubSpotは企業全体のセールスやマーケティング、サービスの動きに対応しており、信頼できるプラットフォームなのだ。それがHubSpotの強みである」(ミラー氏)

 HubSpotで製品を担当するアンディ・ピトル氏(エグゼクティブ・バイスプレジデント)は「当社は大規模言語モデルにとらわれないが、独自の機能についてはOpenAIの『ChatGPT』を採用する傾向がある」と述べた。HubSpotの場合、現在利用可能な生成AI関連機能のうち、エンドユーザーのおよそ25%が1つまたは複数の機能を導入している。これはリリースから経過した期間を考慮すると、高い導入率と見られる。

 「AI関連の強化機能は今後も引き続き製品に浸透し、自然な使い方として定着していくだろう」(ピトル氏)

 「導入率を掘り下げてみると、私たちはイノベーターかアーリーアダプターの段階にある。アーリーマジョリティーには達していない。これはHubSpot特有の問題ではないと考えている。私たちのようなテクノロジーベンダー全体が、生成AIの導入において同様の段階にあるだろう。レイトマジョリティーの段階に到達するまでには、まだ時間がかかる」(ピトル氏)

 Breezeの価格と可用性は、顧客がどのようなサブスクリプションを契約しているかによって決まる。「Breeze Intelligence」は使用量ベースのモデルで販売され、Breeze Copilotは全ての顧客に提供される。また「Breeze Agents」は、「Pro」および「Enterprise」のサブスクリプションにおける各ハブに含まれている。Breeze Intelligenceは既存のハブにアドオンとして販売されるため、顧客は基本ハブの有料サブスクリプションが必要で、Breeze Intelligenceのクレジットを購入することができる。「Marketing Hub」および「Content Hub」の機能は、それぞれのハブの「Pro+」および「Enterprise」のサブスクリプションに含まれている

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