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思っていたのと違う…… 従業員のAI活用法はリーダーの想定とは異なるという調査CIO Dive

Slingshotの調査によると、リーダー層はAIを初期調査やワークフローの管理、データ分析に使うものだと考えて導入を進めているが、従業員はAIを異なる用途のために使っていることが分かった。

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CIO Dive

 調査企業のSlingshotが2024年8月19日(現地時間、以下同)の週に発表した報告書によると(注1)、従業員は必ずしもビジネスリーダーが計画した通りにAIを活用していないということが分かった。

初期調査やデータ分析に使うものだと思っていた 実際は?

 報告書によると、マネジャーは主にプロジェクトの初期調査の支援やワークフローの管理、データ分析のためにAIを導入したいと考えている。一方で従業員の約3分の2は主に自分の作業をダブルチェックするためにこの技術を利用している。

 Slingshotのディーン・グイダ氏は「このギャップは教育とトレーニングの不足に起因する可能性がある」と述べた(注2)。従業員のうち、必要なスキルと知識が全て備わっていると感じているのは23%程度で、約3分の1の従業員は、データとAIに関するトレーニングがより多く提供されればAIに対応できるようになると考えている。

 適切な実行がなければ優れた計画も実を結ばない(注3)。CIO(最高情報責任者)たちは成果につながらない生成AIの取り組みを防ごうとしている。大企業はトレーニング目標を設定したり教育用ビデオを作成したりして、従業員にスキル向上の機会を提供している。

 コンサルティング企業のPwCは「ChatGPT Enterprise」を10万人の従業員に展開する準備の一環として「My AI」というトレーニングの取り組みを立ち上げた(注4)(注5)。大手金融機関であるJPMorgan Chaseは、2024年の初めに資産運用部門の新入社員向けのオンボーディングプロセスにプロンプトエンジニアリングのトレーニングを追加した(注6)。また、自動車メーカーのAmerican Hondaは技術の実用的な活用に焦点を当てた従業員向けトレーニングを実施している(注7)。

 AIスキルに関するギャップは、最終的に企業全体の進捗に影響を及ぼす。

 オンライン学習プラットフォームを提供するPluralsightが2024年8月に発表した報告書によると、経営幹部の23%は、自社が生成AIの導入を見送る理由の一つとして人材不足を挙げている(注8)。

 組織がより優れた結果を得るためのトレーニング計画を作成し、実施するために従業員が現在持っているスキルを明確に把握することが役立つが、Pluralsightは、ほぼ全ての経営幹部が完全な理解に欠けていると指摘している。

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