何%が使ってる? 生産性上がってる? 男女差は? 生成AI現状調査:CFO Dive
生成AIブームといえる今、実際にはどれくらいの人が生成AIを活用し、実際に生産性を上げているのか。NBERの調査で詳細が分かった。
全米経済研究所(NBER)が発表した論文によると、生成AIはブレークから2年も経たないうちに米国の職場や幅広い職種に広がっており、現在では従業員の28%がこのテクノロジーを仕事で使用しているという。
生成AIの使用率の拡大
米国の職場や家庭における技術利用の範囲を測定した最初の調査で、研究者たちは「従業員の24%は少なくとも週に一度生成AIを使用し、9人に1人は毎日利用している」と述べた(注1)。
Federal Reserve Bank of St. Louisの経済政策アドバイザーを含む研究者たちは利用率と生産性について次のように述べている。
「生成AIの導入は、管理職やビジネス、コンピュータ関連の職業で最も一般的であり、その利用率は40%を超えている。ブルーカラーの従業員の5人に1人、大学の学位を持たない従業員の5人に1人も仕事で生成AIを定期的に使用している」
米国における生成AIの活用による生産性向上の測定は、現在のところ困難だと判明している。研究者たちは、この技術が総労働時間の0.5%から3.5%に貢献しているという推定を行っており、それにより生産性が0.125%から0.875%向上する可能性があると示唆している。
生産性向上に関する測定が難しいのは、2022年11月に「Chat GPT」がリリースされて以来、この技術が急速に拡大したためである。
NBERの報告書によると、生成AIの普及率は登場から2年で39.5%に達している。これは登場から2年後のインターネットの普及率である20%や、登場から3年後のPCの普及率である20%の約2倍に該当する。
研究者たちは、以前の研究を引用して「2024年3月までに、この技術の最も一般的なツールは毎月何億人ものユーザーによって30億回以上アクセスされた」と述べている。
研究者たちが挙げた10のタスクの中で、AIは執筆や解釈、管理サポートにおいて最も役立つと考えられている。コーディングやテキストやデータの解釈および要約を含む全てタスクにおいて、生成AIの使用率は少なくとも25%に達しているという。
Federal Reserveのリサ・クック氏(総裁)は、2024年9月30日(現地時間)の講演で次のように述べた(注2)。
「私の見解では、生成AIをはじめとするAIは、経済全体に広がり、革新を促進し、時間とともに改善を続ける汎用技術になる可能性が高い」
「企業がこれらの技術を導入し、従業員が活用の方法を見つけるにつれて、このような発展はより高い生産性につながり、安定した物価とともに賃金の成長が促進される条件を作り出す可能性がある」(クック氏)
研究者たちは、男女間の不平等の可能性も指摘している。女性と比較して、男性は仕事で生成AIを使用する確率が9ポイント高く、家庭で使用する確率は7ポイント高い。
研究者たちは「これとは対照的に、職場におけるPCの導入率は女性の方が高い。これはタイプライターからワードプロセッサへの移行や、秘書やその他の事務職における女性比率の高さが原因と考えられる」と述べた。
出典:Generative AI hits 28% usage rate, spreads throughout US workplace: NBER(CFO Dive)
注1:The Rapid Adoption of Generative AI(NBER)
注2:Speech(Federal Reserve Board)
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