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Microsoft 365の個人プランが値上げ 回避することはできないのか

Microsoftは2025年1月16日、Microsoft 365 PersonalおよびFamilyプランの値上げを実施した。今回の値上げの詳細と理由、値上げを回避する方法を紹介する。

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 Microsoftは2025年1月16日、「Microsoft 365 Personal」および「Familyプラン」の値上げを実施した。Personalプランは月額1490円、Familyプランは月額2100円となり、年間プランではそれぞれ1万4900円と2万1000円となる。

 「Microsoft 365」のサブスクリプション料金が2013年のサービス開始以来初めて値上げされたかたちだ。この値上げに対して、先行ユーザーからは、不満の声も挙がった。今回の値上げの詳細と理由、値上げを回避する方法を紹介する。

MicrosoftがMicrosoft 365個人向けプランを値上げ、法人プランへの影響は?

 今回の値上げは、AIアシスタント「Copilot」が統合されたことに起因している。「Microsoft 365 Personal」および「Microsoft 365 Family」の利用者は、「Word」や「Excel」「PowerPoint」「Outlook」などのアプリケーションで生成AIを活用した機能が利用可能になる。

 また、AIを活用したデザインツール「Microsoft Designer」も追加され、ユーザーはAIを使って画像の編集や新規作成が可能になった。

 このアップデートに伴い、Microsoft 365のサブスクリプション料金が2013年のサービス開始以来初めて値上げされた。既存のユーザーは、次回の更新時まで価格の変更は適用されない。

 ただし、Copilotの利用には注意が必要だ。Copilotの利用には毎月のAIクレジットが割り当てられ、WordやExcelでのコンテンツ生成、Designerでの画像作成などに使用できる。このクレジットは、Microsoft 365 PersonalおよびFamilyのサブスクリプションに含まれているが、Familyプランでは、Copilotはサブスクリプション所有者のみが利用でき、他のユーザーと共有できない。

先行事例のオーストラリアでの反応は?

 Microsoftの今回の値上げは突然発表されたものではない。前兆があった。同社は2024年10月にオーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、シンガポール、台湾、タイの6カ国で、Microsoft 365 PersonalおよびFamilyプランにAIアシスタント「Copilot」を統合し、これに伴いサブスクリプション料金を値上げするテストを実施していた。どのような反応があったのだろうか。

 オーストラリアコンピューター協会(Australian Computer Society)が運営するメディア「Information Age」Information Ageによると、このテストでは、オーストラリアにおいて、個人向けライセンスの「Microsoft 365 Personal」が年間109ドルから159ドルに、ファミリー向けの「Microsoft 365 Family」が年間139ドルから179ドルに値上がりした。それぞれ約45%および約30%の値上げだ。

 Microsoftの広報担当者は、「サブスクリプション加入者は、『Microsoft 365 Basic』のようなCopilotやAIクレジットのないプランに切り替えることができる。また、期間限定で『Microsoft 365 Personal Classic』または『Microsoft 365 Family Classic』プランに切り替えることもできる」と説明している。

 また、Microsoft 365の価格変更は、個人およびファミリーけサブスクリプションのみを対象としており、法人向けプランの顧客に影響はないという。

ユーザーの反発広がる、高額プランの回避法の共有も

 今回の値上げに懸念を抱いたオーストラリアのMicrosoft 365ユーザーが「Reddit」に投稿したところ、批判と反応が広がっているようだ。同様に値上げに不満を抱くユーザーから多数の返信が届き、中には、「MicrosoftのAI機能を備えた高額プランに自動的にアップグレードされるのを避ける回避策を見つけた」と主張するコメント投稿者もいた。

 この投稿者によると、「MicrosoftのWebサイトでサブスクリプションをキャンセルしようとすると、新しいAI機能が含まれず、価格が低いままの“クラシック”サブスクリプションに戻すオプションが提示された」という。これを見た多くのユーザーが同じ方法を試し、クラシックプランへの切り替えに成功したようだが、サードパーティーを通じてのサブスクリプション加入者のためか、このオプションが利用できないユーザーも若干いたようだ。


あるMicrosoft 365ユーザーによると「サブスクリプションをキャンセルしようとすると、AI機能のない“クラシック”プランが提案される」という(出典:Information Age)

 また、一部のユーザーは、「Microsoftは、AI機能付きのより高価なプランへの自動移行を回避できることを十分に明確に説明していない」とし、同社が「これを隠蔽している」と激しく非難。「メールにその旨を記載すべきだった」と書いたユーザーもいた。

 その他、「彼らのAIのくだらない機能は、オプトアウトではなくオプトインであるべきだ」「より安いサブスクリプション(または既存のサブスクリプション)があるのに、サブスクリプションの価格を値上げし、全員を自動的にそのサブスクリプションに登録するのは違法であるべきだ」「なんて詐欺なんだ」など、ユーザーの反発が殺到している。

 

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