システムだらけのセブン銀行、「HULFT Square」導入でデータ統合へ
セブン銀行は、会計システムの刷新を契機にクラウド型データ連携基盤「HULFT Square」を導入した。生成AI活用や属人化の排除を実現し、自然言語による分析や内製によるデータ利活用の推進を目指している。
セゾンテクノロジーは2025年4月24日、セブン銀行が自社のデータ連携基盤および生成AI活用環境の実装に、クラウド型データ連携プラットフォーム「HULFT Square」を導入したことを発表した。
セブン銀行が挑む生成AI時代のデータ連携基盤
セブン銀行は、2018年から全社的なAI・データ活用の定着を進めてきた。同行は銀行勘定系システムやATM中継システム、スマートフォンアプリ、クレジットカードシステムなどのシステムを保有しており、それらの多様なデータを統合的に扱うための基盤整備が喫緊の課題だった。
そのような状況の中、セブン銀行はHULFT Squareの導入を決定した。導入のきっかけは会計システムの刷新であり、複数のSaaSやオンプレミス環境と連携が必要となる複雑な構成の中で、属人化した業務プロセスの改善が求められていた。
HULFT Squareは日本発のiPaaS(Integration Platform as a Service)で、ファイル連携ツール「HULFT」と「DataSpider Servista」の技術をベースに開発されている。
セブン銀行では同ツールを会計システムだけでなく、社内のデータ基盤との連携を担う役割も果たしている。従来は個別対応で構築していたミッションクリティカルなシステム群との連携を、より簡易で安全に実現する手段としてHULFT Squareを位置付けている。
セブン銀行では社内利用向けのインタフェース「7Bank-Brain」を通じて「Azure OpenAI Service」と連携した自然言語によるデータ分析の検証を進めている。この検証環境では、閉域ネットワークにあるデータを安全にAzure環境に転送し、HULFT Squareのジョブ機能で生成AIによるSQL生成および可視化処理を実行している。
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