IT製品への「GPT-5対応」進む 国内ITベンダーも本格展開へ
OpenAIは最新言語モデル「GPT-5」を正式リリースした。Microsoftをはじめ主要ITベンダーも迅速に対応を進める中、国内ITベンダーもGPT-5連携機能を実装するなど、最新言語モデルの実装を進めている。
2025年8月8日(日本時間)、OpenAIは最新の大規模言語モデル「GPT-5」を正式にリリースした。前モデルを上回る高度な推論能力を備えたGPT-5は、一般的なビジネス業務に加えて、医療や製造、金融といった高度な専門知識を要する産業分野においても、幅広い活用が期待されている。
これを受けて、テクノロジー業界も即座に反応した。Microsoftは、「Microsoft 365 Copilot」および「Microsoft Copilot」へのGPT-5統合が完了したことを発表し、支援機能を強化する意向を示した。主要ITベンダー各社が相次いでGPT-5の実装に取り組む中、生成AIを活用したソリューション提供の競争が一層激化することが考えられる。
国産のチャットbotおよびチャットサポートツールである「ChatPlus」(チャットプラス)にも、新たにGPT-5との連携機能が追加された。
ChatPlusは、企業のWebサイトやイントラネット、「Microsoft Teams」「LINE」などの各種コミュニケーションプラットフォームにチャット窓口を設置できるサービスで、生成AIとの連携を通じて、顧客対応や社内支援の高度な自動化を支援している。
新たに搭載されたGPT-5との連携により、ChatPlusはより複雑な文脈や専門性の高い質問にも柔軟に対応できるようになった。これにより、FAQ対応や社内ナレッジの活用、製品サポートなどの場面において、これまで以上に自然かつ安定したAI応答が可能となり、ユーザー体験の質の向上が期待されている。
GPT-5連携機能自体は既にChatPlusに実装済みだが、正式なユーザー提供については、今後段階的なリリースを予定している。企業ニーズやユースケースの多様化に応じ、安定性とパフォーマンスの検証を経て順次展開される見込みだ。
OpenAIの技術革新とそれに迅速に追随する国内外ベンダーの動きは、今後のAI活用の在り方を大きく変える可能性を示している。ビジネスの現場においても、AIとの協働が一層進むだろう。
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