AI投資、前年比2倍どころじゃなく増加 世界に与えた具体的な効果量は?
Domoが発表した調査によると、AI投資額や生成AIの処理回数、AIを悪用した詐欺件数、AIの活用で削減できた業務時間などさまざまな指標が2024年に比べて大幅に増大しているという。
ドーモは2025年8月18日、年次分析レポート「Data Never Sleeps(AI版)」の第2弾を公開した。今回のレポートは、人工知能(AI)が過去1年間に世界でどのように活用され、社会やビジネスにどの程度の影響を与えたかを数値化し、インフォグラフィックスとして提示している。
AI投資額は文字通りに倍増……を超える
世界におけるAIへの投資額は、前年の毎分29万3000ドルから121万ドル以上へと拡大し、前年比312%増となった。AI関連のスタートアップは毎分18万4046ドルのベンチャーキャピタル資金を調達しており、同時に毎分190万個のコンピュータチップが販売されている。
次に、大規模言語モデル(LLM)の進展が顕著で、「DeepSeek」は毎分34万7000件以上のクエリを処理している。また自律的にタスクを実行する「エージェントAI」の利用も広がっている。AIが単なる回答システムにとどまらず、具体的な業務や課題解決に取り組む存在へと進展していることが示されている。
AIは生産性を向上させる有益な面がある半面、悪用の例も示されている。米国ではAIを使った詐欺電話が毎分10万9444件発生しており、社会におけるリスクの拡大も明らかとなった。利便性と危険性が同時に進行している点が特徴とされている。
職場でのAI活用により、従業員は全世界で合計毎分123万時間を節約している。これは140年分を超える生産性向上に相当するという。AIスキルを習得する動きも加速しており、毎分6人が生成AI関連のトレーニングコースに登録している。
Domoプロダクト担当シニアバイスプレジデントのベン・シャイン氏は今回の発表に際し、人々は自分の能力を高めるツールを強く求めており、AIは人間の代わりではなく成果をともに生み出すパートナーとして受け入れられていると述べている。学生やビジネスパーソンなど多様な層がAIを活用し、新たな知見や効率化を実現している様子が報告されている。
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