オプテージ 大阪と首都圏、シンガポールをつなぐデータセンター間通信サービス提供へ
オプテージは大阪のデータセンター「OC1」を起点に、国内DCIサービス「AOC」および日本とシンガポールを結ぶ国際DCIを展開することを発表した。AIやクラウド需要に応える次世代通信基盤を構築する。
オプテージは2025年9月19日、大阪・曽根崎に建設中のデータセンター「OC1」のコネクティビティを強化し、日本とシンガポールを結ぶ国際通信事業に参入することを発表した。国際海底ケーブルを利用したグローバルDCI(データセンター間相互接続)サービスを2028年度に開始する計画であり、増加する国際間データ通信の需要に応える体制を整える。
国内DCIと国際DCIの統合で広がる接続性
OC1は2026年1月に開業を予定しており、同時に首都圏主要データセンターを結ぶ国内DCIサービス「All-Optical Connect」(AOC)を提供する。AOCは新たに構築する鉄道ルートを活用し、近畿日本鉄道(近鉄)およびJR東海沿いに敷設した光ファイバーを利用するオール光ネットワークだ。提供メニューは100Gbpsおよび400Gbpsの専用線で、通信の高速化と安定性を確保する。
国際間のDCIサービスは、首都圏を経由して日本とシンガポールを海底ケーブルで接続する。運用開始は2028年度中を予定しており、こちらも100Gbpsおよび400Gbpsの超高速専用線メニューが用意される。詳細な仕様については今後確定次第、オプテージの公式Webサイトなどで公開する。
AIやクラウドサービスの拡大により、企業のデータ通信量は急速に増加している。とりわけ国際間通信の需要は年々拡大しており、安定性とレジリエンスを備えたネットワークの確保が求められている。オプテージは、こうした背景を踏まえ、OC1の運用開始を前に国内外の顧客から国際通信に関する要望を受けてきた。今回の発表は、その具体的な対応策を示すものとなる。
OC1と首都圏間のAOCと、首都圏とシンガポール間の国際区間を組み合わせることで、大阪からシンガポールまでを一体的に接続する通信環境が整備される。企業はオプテージを窓口として国内区間と国際区間をワンストップで利用できる体制が構築される。
同社は総合情報通信事業者として、今回の施策を通じて国内外のデータセンターを相互に接続し、企業の事業継続性や成長を支える基盤を提供するとしている。OC1を拠点とした国内外ネットワークの拡充は、増大するデータ通信需要に対し具体的な対応であり、国際通信インフラの一角を担うものとなる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
エージェント型AI導入、26年に25%に拡大見込み 経営層が挙げる導入のメリット
IBMはAIエージェントに関する日本企業の導入状況と将来展望を調査し、現在3%の導入率が2026年には25%へ拡大すると予測している。経営層はAIを業務の中核と位置付け、業務効率や財務成果への寄与を期待している。OpenAIがMicrosoftと提携強化 非営利組織による再資本化の狙い
OpenAIはMicrosoftとの新たな提携段階として覚書に署名し、非営利組織が公益目的会社(PBC)を支配する体制で再資本化する計画を発表した。AIの安全性と公共利益の両立を目指す体制を構築する。NVIDIA「Rubin CPX」発表 数百万トークン規模のAIワークロードを効率的に処理
NVIDIAは2025年9月10日、次世代GPU「Rubin CPX」を発表した。大規模コンテキスト処理に特化し、ソフトウェア開発支援や映像生成AIに貢献する。NVIDIAが推進する「フィジカルAI」の動向 AIによる空間認識で製造業を支援
NVIDIAは都市や産業インフラの安全性と効率性を向上させる「フィジカルAI」の最新技術を発表した。映像センサーとAIを活用し、危険作業の自動化や製造現場の品質管理、公共安全の強化を実現する。