シスコが新データ基盤アーキテクチャ発表 機械のデータをAI活用しやすくする
Splunkはシスコが新たなデータ基盤アーキテクチャ「Cisco Data Fabric」を発表したと伝えた。分散データの統合やAI活用促進、コスト効率化を図り、時系列モデルやAIエージェント連携で高度な分析と自動化を実現する。
Splunkは2025年9月24日、シスコが新たなデータ基盤アーキテクチャ「Cisco Data Fabric」を発表したと伝えた。この仕組みはSplunkプラットフォームを基盤とし、企業がマシンデータを効率的にAI活用へとつなげることを目的としている。大量のデータを取り扱う際に生じるコストや複雑性を抑えつつ、AIモデルの構築や高度な分析を容易にする狙いがある。
シスコとSplunkが描く新時代のAI基盤「Cisco Data Fabric」
Cisco Data Fabricは、分散したデータを大規模に統合し活用できるよう設計されている。これは、データ統合やコスト効率化、セキュリティ強化を支援するフレームワークであり、企業がビジネスの俊敏性を高めることを可能にするとしている。
具体的な機能は、リアルタイムでのクロスドメイン分析や多様なストレージとの連携、オープンアーキテクチャによる環境適応などだ。「mazon Simple Storage Service」(Amazon S3)などの外部ソースとの接続はすでに利用可能であり、「Apache Iceberg」「Delta Lake(Spark対応)」「Snowflake」「Microsoft Azure」などとも連携を予定している。2026年には多くの情報源に拡張される予定だ。
時系列基盤モデルの導入も計画されており、高度な異常検知や予測分析、自動根本原因分析を支える仕組みが整備される。この技術は2025年11月にオープンソースコミュニティー「Hugging Face」で公開予定だ。「Splunk Machine Data Lake」や「Splunk AI Toolkit」との連携により、マシンデータをAI機能の中核へと変換できる仕組みも強化される。
新しいユーザー体験の要素として「Cisco AI Canvas」が提供される予定であり、Splunk Cloud Platformと統合してチームが協働するための仮想ワークスペースを提供する。この環境ではAIエージェントによるワークフローの自動化や調査支援が可能となり、迅速な意思決定を支援する。
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