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韓国の行政IT基盤施設で火災 数百のシステムがダウンし、数百TBの業務データが消失

韓国政府のITインフラ基盤が置かれる国家情報資源管理院(NIRS)で火災が発生した。火災の影響で行政システムが停止した他、中央省庁の職員が利用するクラウドストレージ「G-Drive」のデータが消失するなど影響が出ている。

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 韓国で9月26日(現地時間、以下同)、韓国政府のITインフラ基盤が置かれる国家情報資源管理院(NIRS)で火災が発生した。火災の影響で行政システムが停止した他、中央省庁の職員が利用するクラウドストレージ「G-Drive」のデータが消失した。

 現地の報道機関・東亜日報によると、無停電電源のリチウムイオンバッテリーを取り外す作業中に電池から火花が発生したのが火災の原因とされている。火は27日に鎮火されたが、96台のサーバが全焼し、その他551台のサーバも影響を受けた。

発火原因は調査中 影響範囲は?

 NIRSで使っていたリチウムイオンバッテリーは2014年にLG Energy Solutionが生産したもの。2024年6月には10年の使用期限が過ぎていたものの、定期検査では正常に動作していることが確認されたため引き続き使用されていたとみられる。

 NIRSでは郵便や金融、身分証明サービスなどを運用しており、合計647のシステムがダウンした。システム障害に便乗し、金融機関をかたる詐欺も発生している他、SNSなどで虚偽の情報が出回るなどの影響も生じている。

 中央省庁で使っているクラウドストレージにも影響が出た。韓国ではセキュリティ強化のためファイルをローカルで保存するのではなくクラウドで保管する運用がとられている。従業員は1人当たり30GBの容量があるG-Drive(Googleの「Google ドライブ」とは無関係)を割り当てられている。8月の時点で合計858TBのデータが保存されていたが、火災でストレージが全焼した。一部のデータはバックアップもなく、復旧できない状態にある。

 バックアップがない理由について東亜日報が行政関係者に取材したところ「G-Driveは大容量ながら性能が低いストレージであり、外部へのバックアップが難しかった」と説明したという。

 火災で発生した粉じんを除去するため復旧が遅れており、10月7日までに復旧できたシステムは約25%にとどまる。

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