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「もうWindowsセットアップの裏ワザが使えない」新対策にユーザーは大迷惑?:851st Lap

Windows 11の最新ビルドではセットアップ時にローカルアカウントが利用できず、Microsoftアカウントでのサインインが必須となった。これにより、ユーザーの間で戸惑いが広がっている。

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 2025年10月14日、ついに「Windows 10」のサポートが正式に終了した。もちろん、この日を境にWindows 10が使えなくなるわけではないが、今後は「Windows Update」が提供されなくなり、セキュリティリスクが高まるため、Microsoftは「Windows 11」への移行を強く推奨している。

 こうした流れを受けて、新たにWindows 11搭載PCを購入し、セットアップを始めたユーザーの中には、戸惑いを感じる人も少なくないだろう。というのも、Windows 11ではセットアップ時に「ローカルアカウント」が選べず、「Microsoftアカウント」でのサインインが必須となっているからだ。

 「以前はローカルアカウントでもセットアップできたはず……」と思うユーザーもいるだろう。実際、これまではコマンドプロンプトを使うなどして、Microsoftアカウントを回避する手法が幾つかあった。しかし最近になって、MicrosoftはWindows 11の最新ビルドにおいて、これらの既存の回避策を封じようとしている。この方針は、Windows 10のセキュリティにも影響するという。

 冒頭でも触れた通り、従来、Windows 11のセットアップには基本的にMicrosoftアカウントが必要だった。ただし「基本的に」とあるように、これまでは幾つかの手法によってMicrosoftアカウントを使わずに、ローカルアカウントでセットアップを完了させることも可能だった。

 例えば、セットアップ中に「Shift」+「F10」キーでコマンドプロンプトを開き、「oobe\bypassnro」や「start ms-cxh:localonly」と入力することで、Microsoftアカウントの入力を回避できる方法が知られていた。このような非公式の回避手段を使い、ローカルアカウントでセットアップをしていたユーザーも少なくなかった。

 だが、2025年10月、Microsoftは既知の全てのローカルアカウントの作成手段を削除するという方針を正式に発表した。この内容は、Tech系情報サイト「Ars Technica」が同年10月8日に掲載した記事をはじめ、複数のメディアによって取り上げられた。

 具体的には、2025年10月にリリースされた「Windows 11 Insider Preview」(ビルド26220.6772)において、これまで利用可能だった全ての回避コマンドが使用不能となった。Microsoftは、この変更を公式ブログで明示している。

 これにより、Windows 11のセットアップにはインターネット接続とMicrosoftアカウントへのサインインが必須となった。Microsoftは企業ユーザーはもちろん、一般ユーザーに対してもMicrosoftアカウントでの運用を強く推奨する姿勢を示している。

 さらにこの方針は、2026年10月にサポート終了を迎えるWindows 10にも影響を与える可能性がある。というのも、延長サポートである「拡張セキュリティアップデート(ESU)プログラム」を利用する際にも、Microsoftアカウントが必要とされるためだ。ローカルアカウントで運用してきたユーザーは、このESUの利用が難しくなる恐れがある。

 そもそも、なぜローカルアカウントでセットアップしたいのか、と疑問に思う人もいるかもしれない。Microsoftアカウントでのログインによってクラウド連携が可能になる一方で、ユーザー情報がクラウドに送信される可能性がある。ローカルアカウントなら、そうした情報は基本的にPC内にとどまる。また、セキュリティポリシー上、完全にローカルな環境で運用する必要がある企業も存在する。

 その他にも、データやファイルの「Microsoft OneDrive」への自動保存が無効になることや、家族で共有しやすいといった利点もある。こうした理由から、ローカルアカウントでの運用を望むユーザーにとって、今回の措置は大きな痛手となる可能性がある。

 とはいえ、これまでもMicrosoftの制限を回避する手法は幾度となく生み出されてきた。今回の変更はまだInsider Preview版に限った話であり、正式リリースまでに新たな抜け道が登場する可能性もゼロではないだろう。


上司X

上司X: Microsoftが、Windows 11のセットアップでローカルアカウントを使うことを完全に封じにきた、という話だよ。


ブラックピット

ブラックピット: Microsoftアカウントが必須となりますか。


上司X

上司X: そういうことだ。新バージョンのWindows 11は、Microsoftアカウントを回避するコマンドが利用できない仕様になるということだ。


ブラックピット

ブラックピット: でも「Microsoft Office」を使ってたら、だいたい皆さんMicrosoftアカウントを持ってますよね?


上司X

上司X: 持っている、持っていないという話でもないんだよなあ。


ブラックピット

ブラックピット: 確かに、ローカルアカウントで運用したいというユーザーは僕の周辺にもいますよ。僕はどうでもいいですけど。OneDriveは便利ですし。


上司X

上司X: 確かに、Windowsとクラウドの融合を必要としないユーザーもいるだろうな。もちろん仕事で使うPCが常にクラウド連動となると困るビジネスパーソンだっているだろう。今回のMicrosoftの方針を支持しない人はある程度いるだろうな。


ブラックピット

ブラックピット: とはいえ、Windowsを使おうとしたら選択肢はないわけですからね。まったくもう、いろいろ難儀な話ですよ。


上司X

上司X: 長く君臨しているOSとなれば、やはり時勢に応じて変化していくのは当然のことなのかもしれないな。今回のローカルアカウント完全廃止もそういうことなんだろう。ユーザーとしては変化に対応していくことも必要なのかもしれないな。

川柳

ブラックピット(本名非公開)

ブラックピット

年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)

昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。

上司X(本名なぜか非公開)

上司X

年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)

中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。


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