Microsoft 365 Copilot、メールも会議議事録も自動化へ【注目アップデート5選】
Microsoft 365 Copilotの最新アップデートで、ライセンス不要でメールをワンクリック要約できる機能や、会議進行を支援するファシリテーターエージェントなど、業務効率化を支える新機能が追加された。
「Microsoft 365 Copilot」が2025年10月に大規模アップデートを実施し、メールや会議の効率化を支援する新機能が登場した。AIによるメール要約や会議メモ作成の支援機能が進化し、日々の業務自動化がさらに現実的になった。
今回の更新は、従来の機能に加え、会議の可視化など実務での活用も広がるものだ。本稿では、ユーザー部門に機能を展開する情報システム部門やIT担当者にとっても押さえておきたいポイントを整理し、具体的な利用イメージを交えながら業務効率化のヒントを紹介する。
本稿は、内田洋行の太田浩史氏(エンタープライズエンジニアリング事業部)による「聞きたい!知りたい!おさえたい!今月のMicrosoft 365アップデート」講演内容を編集部が再構成した。
1.ライセンス不要でも利用できる新しいワンクリックメール要約
Microsoft 365 Copilotのライセンス不要で、ワンクリックでメールを要約できる機能が利用可能になった。
新しい「Outlook for Windows」およびWebブラウザ版「Outlook」では、メールに表示される「要約する」ボタンを押すことで、Microsoft 365 Copilotとのチャットにより自動的に要約が生成される。クラシック版のOutlookにも対応予定だ。
2.Libraryに画像やページを集約
Microsoft 365 Copilotとのチャットや「作成」機能で生成した画像が、Libraryメニューにまとめて表示されるようになった。これまで分散していたコンテンツが1箇所に集約され、過去に作成したコンテンツを容易に検索、参照できる。さらに、Microsoft 365 Copilotチャットで利用できる「ページ」機能も同様にLibraryに表示されるため、作成したページを系統立てて管理できるようになった。
3.ファシリテーターエージェント
Microsoft 365 Copilotライセンスを持つユーザー向けに、会議の進行を支援する「ファシリテーターエージェント」が追加された。このエージェントは事前に登録された議題を基に、会議中の進行状況を議題トラッカーで可視化する。同時に、Microsoft 365 Copilotが会議内容を自動的にメモに書き起こし、参加者全員で追記や修正が可能な形式で共有する。
さらに、会議チャット内でファシリテーターエージェントと対話することで、「ここまでの議論をまとめて」などの依頼に応じ、その時点までの議論内容を整理できる。会議終了時にはメモがほぼ完成した状態となるため、議事録作成の効率化に大きく寄与する。
4.プロンプト入力欄にツールボタン
Microsoft 365 Copilotチャットのプロンプト入力欄に「ツール」ボタンが追加され、Designerやリサーチツールなどのエージェントを呼び出しやすくなった。これまでエージェントの呼び出しには複雑な手順が必要だったが、新しいボタンにより、より目に付きやすく、気軽に活用できるようになった。会話の途中でも同じボタンから各種エージェントを呼び出せる。
5.会議室参加者の話者識別
PCにUSB接続したスピーカーフォンを利用することで、会議室に集まった複数の参加者の声を識別し、トランスクリプトに記録できるようになった。これまではPCを利用しているユーザーの発言として全てが記録されていたが、新機能では誰の発言かを名前で区別できる。この改善により、Microsoft 365 Copilotによる会議要約の精度が向上し、会議後の情報活用が容易になる。
この機能を利用するには、会議開催者にMicrosoft 365 Copilotライセンス(または「Teams Premium」ライセンス)が割り当てられていることが前提となる。また、会議参加時には「部屋の音声」を選択し、接続したスピーカーフォンを指定する必要がある。
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