Microsoft 365、2026年に新機能投入 一部プランでは値上げも
Microsoftは2026年提供予定の「Microsoft 365」の新機能と方針を発表した。AIやセキュリティ、IT管理を強化して生産性と安全性向上を図り、企業の導入判断や契約更新を支援する計画立案を後押しする。一方で価格改定も示した。
Microsoftは2025年12月4日(現地時間)、2026年に提供予定の「Microsoft 365」の新機能と今後の方向性を発表した。
AIとセキュリティ、IT管理の各分野で機能を拡充し、組織の生産性と安全性を高めることが目的だ。利用者が導入や契約更新の計画を立てられるよう、早期に情報を公表した。
実装予定のMicrosoft 365の分野別新機能、一部プランでは価格改定も
中核となるのは「Copilot Chat」だ。すでに全利用者に提供されており、2026年にかけて段階的な機能拡張が予定されている。
Copilot Chatは、「Microsoft Word」をはじめとする各種Microsoft 365アプリに統合され、横断的に利用できる構成となっている。受信トレイや予定表を理解した上での対話や、Agent Modeによる作業支援が可能となり、文書や表計算、資料作成を支援する。管理者には、Copilot Chatの利用状況を把握し、制御や測定のための管理機能や分析機能が組み込まれる。
セキュリティ分野では、メールや「Microsoft Teams」を通じた脅威への対策が強化される。「Office 365 E3」および「Microsoft 365 E3」においては「Microsoft Defender for Office 365 Plan 1」の機能が含まれ、フィッシングやマルウェア、不正リンクの検出能力が強化される。「Office 365 E1」や「Business Basic」「Business Standard」などではメールやOfficeアプリ内のリンクに対しURLチェック機能が追加される。
IT管理分野ではMicrosoft 365 E3および「Microsoft 365 E5」にエンドポイント管理機能が拡張される。「Intune Remote Help」「Intune Advanced Analytics」「Intune Plan 2」が含まれ、端末の状態把握やサポートをしやすくなる。Microsoft 365 E5においては、特権管理やアプリケーション管理、クラウド証明書基盤、セキュリティ用のCopilotも提供対象に含まれる。
プランごとの新機能は段階的に整理されている。Business系プランではCopilot Chatの機能強化や基本的なセキュリティ機能が中心となり、Enterprise系プランではセキュリティと管理機能が広範に追加される。Microsoft 365 E5は全ての新機能を含む構成だ。
これらの機能追加に伴い、2026年7月1日から一部プランで価格改定が予定されている。Business BasicやBusiness Standard、Office 365 E3、Microsoft 365 E3、Microsoft 365 E5などで月額料金が引き上げられるが、「Business Premium」やOffice 365 E1に関しては料金に変更はない。価格改定は世界的に適用され、地域別の調整が行われる。
Microsoftは、過去1年間でMicrosoft 365やCopilot、「Microsoft Security」「Microsoft SharePoint」を通じて1100以上の機能を提供した。Microsoft 365をAI活用を前提とした業務基盤として発展させる方針を示した。
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