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札幌市民交流プラザでAIチャットbot「Tebot」導入、月400件の問い合わせ対応を自動化

札幌市民交流プラザはAIチャットbot「Tebot」を導入し、月約400件の問い合わせ対応の自動化を実現した。高い回答精度とデータ活用により、職員の負担軽減と市民用案内の質向上を両立が達成された。

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 2018年に開館した札幌市民交流プラザは、地域の文化芸術交流の拠点として利用者の多様な質問に対応する必要があった。その業務量の解消のため、課題の解決を図るサービスとしてAIチャットbot「Tebot」を導入した。同施設の広報営業課の担当者が導入の背景や成果を語った。

複合施設の多様な問い合わせをAIチャットbotで自動化

 札幌市民交流プラザは、劇場と交流センター、図書・情報館の機能を併せ持つ複合施設で、開館時間が9時〜22時と長いことから窓口や電話対応に大きな負担がかかっていた。利用目的が幅広いため質問内容も多様で、コロナ禍が明け、来館者数が回復したことで応対件数が増加したこともあり、限られた人員での応対速度が課題となっていた。

 同施設はこれらの課題解決のため、2022年にTebotを導入した。選定の際には、利用者の入力内容から質問の意図を推測する仕組みを備え、単純なキーワードマッチングに依存しない点が評価されたという。

 フローチャート形式で質問を選択する「シナリオ型」と、利用者の自由入力から適切な答えを表示する「AI型」の回答を組み合わせることで、基本的な案内から個別性の高い質問まで幅広く対応可能となった。回答精度は約80%を維持し、利用者の疑問解消を支える実用的な水準を確保した点も成果の一つだ。

 Tebotは、月平均400件前後の問い合わせを処理している。自動化により担当者の業務負担が軽減され、人手による応対に割いていた時間を企画や運営改善に充てることが可能になり、施設全体のサービス品質向上につながった。

 加えて、蓄積された問い合わせデータを分析することで、利用者が求める情報の傾向が明確になった。質問傾向や回答不能だった質問内容を把握し、内容を更新することで、案内や回答の質を高める改善サイクルを確立できたという。

 札幌市民交流プラザでは、来館者応対に限らず、施設内の情報共有にもTebotの活用範囲を広げることを計画している。部門ごとの知識やルールを集約することで、引き継ぎや教育に要する負荷を抑制しようと考えている。

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