国際興業がkintone AIラボを導入 PC非貸与者にもデジタル化の効果広げる
国際興業は「kintone AIラボ」を活用し、社内問い合わせの効率化やバス運行データの分析に取り組んでいる。膨大な業務データを検索AIや分析AIで駆使し、生産性を向上させた。今後は全社的なデジタル化を進め、運行計画への反映やシステムの統合を目指す。
サイボウズは国際興業の「kintone」活用事例を発表した。「kintone AIラボ」の検索AIによってアプリに登録されたデータから適切な回答を検索し表示することで、社内の問い合わせ対応を効率化した。同社は、今後、さらなる生産性の向上を目指している。
kintone計563アプリを運用 検索AIなど活用を事例紹介
国際興業は集合バス事業を中核とし、約2100人の従業員を要する。そのうち約1400人がバス乗務員などで、PCやモバイル端末が貸与されていない現場職の従業員が多いという。
同社は2020年の新型コロナウイルス感染拡大を契機に社内業務のデジタル化を加速した。システムの移行先としてkintoneを採用し、2022年に活用の範囲を全社に広げた。2026年時点では全社掲示板や社則管理、利用客の声管理、制服申請、燃料発注など563のアプリを運用している。
他方でアプリ数の増加に伴い「目的のアプリを見つけにくい」との声が従業員から上がり、社内規定や届け出書類に関する問い合わせも多く、対応部署の負担が課題となっていた。そこで、2025年4月に提供が始まった「kintone AIラボ」の活用を開始し、「検索AI」機能を導入した。
情報システム課では、IT関連インシデントを管理するアプリに検索AIを追加し、自然言語で過去事例を横断検索できるようにした。これにより検索ワードの不一致による再調査が減少し、業務の無駄を抑制できたという。
総務部においては、社内規定や提出書類を参照するアプリに検索AIを組み込んだ。従業員が質問を入力すると、過去事例や規則に基づく回答が表示される仕組みを構築し、問い合わせ対応の負荷軽減を図った。
国際興業は、分析業務へのAI活用も進めている。利用者から寄せられる遅延などの運行情報を収集しているが、膨大なデータの分析が進んでいなかった。そこで「レコード一覧分析AI」を用い、「お客様の声アプリ」に蓄積された情報を分析。AIが抽出した日時や場所、遅延時間、発生傾向などのデータを基に、分析業務の効率化を進めている。将来的には運行計画の見直しにも活用する。
国際興業は、PCやkintoneアカウントを持たない従業員にもデジタル化の効果を広げるため、経費精算や給与明細など身近な業務からデジタル化に取り組んできた。こうした業務改善の取り組みが進み、今ではAI機能の導入によって現場の学習意欲も高まっているという。
同社は、AIによる高度な検索や分析の価値を高めるには社内情報の網羅的なデジタル化が不可欠だとしている。今後も社内データをkintoneへ集約し、既存のワークフローやレガシー環境のシステムをアプリへ統合することで、コストの適正化と業務の安定化を目指す方針だ。
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