ランサム被害後の復旧をOCIで支援、KDDIアイレットが3サービス提供開始
KDDIアイレットは「Oracle Cloud Infrastructure」を活用し、ランサムウェア被害からの早期復旧を支援する新サービスの提供を開始した。バックアップ保護やリアルタイム同期、閉域接続を通じて、企業の復旧体制強化を後押しする。
KDDIアイレットは2026年5月14日、「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)を基盤とした3つの新サービスの提供を開始した。ランサムウェア被害を受けた際に、企業がデータを保全しながら早期に復旧できる環境づくりを支援するとしている。
バックアップを守り、復旧経路を確保する3サービス
提供の背景として同社は、国内法人のランサムウェア被害が高水準で続いている点を挙げる。2025年上半期の被害件数は116件で、3期連続で100件を超えたという。また、攻撃者がバックアップデータの暗号化や削除を試みる一方で、企業側ではマルチクラウド環境における安全な接続設計や、削除されにくいバックアップの整備が追い付いていないという。
この課題を解決するため、同社は以下の3つのサービスを提供する。
- リカバリーデータ構築支援サービス
- OCI リアルタイムデータバックアップサービス
- OCI マルチクラウド閉域接続サービス
リカバリーデータ構築支援サービス
ランサムウェア感染時や災害時に備え、基幹システムの重要データをOCI上で復旧できる環境を構築するものだ。「Oracle Database Zero Data Loss Autonomous Recovery Service」と「Oracle Object Storage」を組み合わせ、データを改ざんや削除がしにくいバックアップの保管や、秒単位の精度での復旧を支援する。既存のOracle Database環境を大きく変えずに導入できる点も特徴としている。
なお、Oracle Database Zero Data Loss Autonomous Recovery Serviceは、Oracleデータベース向けのフルマネージドなデータ保護サービスで、トランザクションをリアルタイムに保護し、直前時点に近い復旧を可能にする。OCI Object Storageは、大容量データを低コストで保存できるオブジェクトストレージだ。
OCI リアルタイムデータバックアップサービス
「Oracle GoldenGate」を活用し、オンプレミスや他クラウドのデータベースをOCIにリアルタイムで同期する。定期バックアップではなく常時最新に近い状態を保つことで、データ消失リスクの抑制を狙う。既存データベースへの負荷を抑える構成や、バックアップ先の集約による運用負荷とコストの削減も打ち出している。
Oracle GoldenGateは、異なる環境間でデータをリアルタイムに複製、同期するための製品となっている。
OCI マルチクラウド閉域接続サービス
「OCI FastConnect」による専用線接続を使い、インターネットを経由しないマルチクラウド環境の構築を支援する。低遅延・高帯域の接続に加え、設計から構築、テストまで一貫して支援する。金融や医療、官公庁など、セキュリティ要件の厳しい業種での利用も想定している。料金はいずれも個別見積もりとしている。
OCI FastConnectはオンプレミスや他クラウドとOCIを専用のプライベート接続で結ぶサービスだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「従来のバックアップでは守れない」 ランサムウェア対策をバージョンアップしよう
ランサムウェアの脅威が深刻化する中、従来のバックアップ対策では十分な防御ができなくなっている。データ保護戦略と、効果的なバックアップソリューション選定の勘所を探る。ランサムウェアへの考え方をバージョンアップしよう。
頻度、世代管理から見る企業のデータバックアップの実情 【読者調査】
前編に引き続き、企業におけるバックアップの実態を調査した結果を報告する。バックアップはBCPやセキュリティ対策のために実行するはずが、バックアップそのものが目的になっているケースが見つかった。
ランサムウェア攻撃を受けたとき、身代金を払う前にやるべき10のこと
ランサムウェアに備えるには防御策を固めると同時に、いざ攻撃が受けたときにすべきことを事前に決めておくことが必要だ。