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大阪メトロは「月1000件の社内問い合わせを効率化」にAIをどう使った?

PKSHA Technologyは、Osaka Metroへの「PKSHA AIヘルプデスク」の導入部署を人事や調達に拡大した。全従業員約5000人の社内問い合わせを一元化し、情報格差の解消や業務効率化、ナレッジの共有資産化を目指す。

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 大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)では、社内問い合わせ対応の効率化とナレッジ活用の高度化に向け、PKSHA Technologyの「PKSHA AIヘルプデスク」を活用している。2025年12月に経理部とデジタル推進部で先行導入を開始し、2026年5月からは人事部と調達部へ展開を拡大した。今後は全従業員約5000人が利用できる社内問い合わせ対応基盤の構築を目指す。

大阪メトロは「月1000件の問い合わせ対応」をAIでどうした?

 これまでOsaka Metroでは、経理部やデジタル推進部への問い合わせ対応が担当者による個別対応に依存していた。デジタル推進部では月間約1000件の問い合わせのうち約9割が電話経由で寄せられ、問い合わせ履歴や対応内容の共有が十分に進まない状況だった。また、経理部でも問い合わせ件数や対応状況の把握に課題があり、同様の問い合わせへ繰り返し対応するなど、業務の属人化が発生していた。

 こうした課題を解決するため、Osaka Metroは「PKSHA AIヘルプデスク」を導入した。これは「Microsoft Teams」(Teams)で利用できるAIエージェントであり、従業員は普段利用しているチャットツールから問い合わせができる。問い合わせ窓口をTeamsへ集約すると同時に、「Microsoft SharePoint」と連携したナレッジ管理や、問い合わせ履歴を活用したFAQの拡充を進め、社内に蓄積された情報を有効活用できる環境を整備してきた。

 先行導入で得た知見を基に、2026年5月からは人事部と調達部への展開を始めた。人事部では、人事給与勤怠管理システムの刷新に伴い、勤怠管理や各種申請に関する問い合わせに対して、AIが社内マニュアルや過去のQ&Aを参照しながら回答する仕組みを整備する。AIだけでは解決できない問い合わせについては、適切な担当者へ自動的に引き継ぐことで、問い合わせ先が分からず業務が滞る状況の防止を図る。

 また、部署を横断したナレッジ活用にも取り組み、蓄積された問い合わせ情報を組織全体の共有資産として活用することで、従業員同士の連携強化を目指している。

 経理部では、新たに「オペレーター回答支援エージェント」も導入した。過去の対応履歴を基にAIが回答案を提示することで、担当者の業務負荷を軽減すると同時に、回答品質の向上を図る。利用データの蓄積により、今後さらなる回答精度の向上も期待されている。

 Osaka Metroでは、問い合わせ手段の分散によるナレッジ共有不足や業務の属人化を解消するため、AIを活用した社内問い合わせ基盤の強化を進めている。システム選定では、必要な機能をパッケージで幅広く備えている点、コスト面、AI機能などを総合的に評価し、「PKSHA AIヘルプデスク」の採用を決定した。両社はこれまでも、白杖利用者や車いす利用者を検知して駅係員へ通知するAI見守りシステムの共同開発など、AI技術を活用した取り組みを進めてきた。

 今後、Osaka MetroはFAQエージェントやドキュメントエージェントの機能拡充を通じて、従業員自身による問題解決率の向上、有人対応の削減、迅速かつ正確な情報提供、担当者の負荷軽減を推進する。PKSHA Technologyも、1日約250万人が利用するOsaka Metroの事業基盤を支える仕組みとして、AIと人が連携する運用モデルの高度化に取り組み、蓄積された問い合わせデータを活用しながら回答精度と自己解決率の向上を目指す。

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