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「Notion」でAI利用量が4倍に スター精密が全社にAIを定着させた業務基盤の作り方

スター精密は、国内約550人を対象に「Notion」と「Notion AI」を導入し、情報基盤を刷新した。情報を一元化するとともにAIを業務へ組み込むことで、利用率約90%、AI利用量は従来のチャット型AIツール比で約4倍を達成した。

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 工作機械や精密部品などの製造を手掛けるスター精密では、社内に分散していた情報資産を集約し、生成AIを日常業務で活用する環境づくりを進めている。採用したのは、ドキュメント管理やデータベース、プロジェクト管理を一元化できる「Notion」と、AI機能を備えた「Notion AI」だ。国内約550人の従業員が利用する環境を整備した結果、月次アクティブユーザー率は約90%に達し、AI機能の利用量も従来のチャット型AIツールと比べて約4倍に増加。情報検索やナレッジ共有、問い合わせ対応など、日常業務におけるAI活用の定着につなげている。

社員9割が使う「Notion」 社内のAI定着にどう貢献?

 生成AIの活用についても、当初はチャット形式での質問や文章作成が中心で、日々の業務プロセスに組み込むまでには至っていなかった。そこで同社は、AIをより実務に活用できる環境づくりを重要テーマとして掲げ、情報システム部門を中心に取り組みを始めた。

 2025年下期には、情報システム部門でNotionとNotion AIの試用を開始し、業務での活用効果を検証。その結果を踏まえ、全社的なAI活用基盤として展開する方針を決定し、2026年春から国内社員を対象に段階的な導入を進めた。

 導入後は、社内ポータル、プロジェクト管理、議事録、業務ナレッジなどの情報をNotion上へ集約。従業員は必要な情報を同じ環境内で検索・活用しながら、AI機能も業務の流れの中で利用できるようになった。

 製品選定では、AI機能が業務基盤に統合されている点を重視した。特に、議事録作成を支援するAIミーティングノートや、社内情報を横断的に検索できるエンタープライズサーチなど、導入初期から活用効果を得やすい機能を評価したという。また、将来的に各部門が業務課題に合わせたカスタムエージェントやスキルを作成できる点も、AI活用を広げる上で重要なポイントとなった。

 現在、Notionは社内ポータルやプロジェクト管理、会議記録、業務ナレッジの蓄積など、幅広い用途で活用されている。導入後の月次アクティブユーザー率は約90%に達した。また、2026年5月16日〜6月12日までの28日間では、AI機能の利用量が従来利用していたチャット型AIツールと比較して約4倍に増加。AIが一部の担当者だけでなく、日常業務の中で利用される環境が広がっている。

 具体的な活用例の一つが、社内IT問い合わせ対応の自動化だ。

 「QAヘルプデスク」では、社内ナレッジや過去の問い合わせ履歴を基にAIが回答を生成。必要に応じて担当者へ通知し、チケット作成まで自動化する仕組みを構築した。問い合わせ対応にかかる担当者の負担を軽減するとともに、従業員が必要な情報へ迅速にアクセスできる環境づくりを進めている。

 今後は、製造現場や各部門へのAI活用拡大を進める方針だ。具体的には、作業手順書やFAQへの自動応答、不具合事例の検索、マニュアルの多言語化、改善提案受付ポータルの運用などへの活用を想定している。さらに、ナレッジ共有による技術継承や新人教育の効率化にも取り組んでいる。現場の課題や改善要望を収集するAI活用アセスメントを実施し、NotionとNotion AIを活用した解決策の設計・実装につなげていく。

 また、各部門が自ら業務課題に合わせたAIを活用できるよう、カスタムエージェントの内製化にも取り組んでいる。今後の展開として、まずは導入済みライセンスのアクティブ率100%を目標に掲げ、契約社員や派遣社員などへの利用対象拡大も視野に入れる。さらに、社内ではNotion活用コンテストを開催し、現場発の活用事例を共有することで、AIを活用した業務改善の文化を社内全体へ広げていく。

 スター精密情報システム部長の澤井泰範氏は、チャット型生成AIだけでは現場業務への定着に課題があったと説明する。Notionを採用した理由について、AI機能が業務基盤に組み込まれ、ナレッジ活用と業務改善を同じ環境で進められる点を挙げている。

 同社では今後、カスタムエージェントの活用も含め、問い合わせ対応や情報探索、会議運営など定型業務の効率化を進め、社員がより付加価値の高い業務へ時間を振り向けられる環境づくりを進めていく考えだ。

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