4人に3人が「引継ぎマニュアル使えない」 200人調査で見えた問題点
業務の引き継ぎにおいてマニュアルは重要だが、品質や実用性は十分に確保されているだろうか。企業が求める理想的なマニュアルとは、どのような要素を備えるべきなのか。
業務の引き継ぎを支えるマニュアル・手順書の重要性は今も変わらない。一方で、その品質や運用面に課題を抱え、十分な整備ができていると感じていない企業もある。
taiziiiが従業員1000人以上の企業に勤務する管理職を対象に実施した「業務引き継ぎに関する実態調査」で、4人に3人が既存の業務マニュアルや手順書に対して「不十分」だと認識している実態が見えた。企業が求める理想のマニュアルとはどのようなものなのだろうか。
4人に3人が「使えない引継ぎマニュアル」
マニュアルや手順書の整備状況を尋ねた設問では、74%が「不十分」と回答した。また、引き継ぎ方法に関する設問では、「既存マニュアルの共有」が53.5%を占め、「口頭での説明」と並んで最多となった。半数以上の引き継ぎで文書が重要な役割を担う一方で、その品質や内容には依然として課題が残されていることが分かった。
引き継ぎ資料に対して課題を感じる点について尋ねた設問では、「情報が古い・誤っている」が62.5%で最も多く、次いで「情報が不足している」が59.5%、「要点が不明確」が51.5%となった。一方で、「専門用語が多い」は32.5%、「フォーマットがバラバラ」は31.5%にとどまった。これらの結果から、引き継ぎ資料の評価を左右するのは、形式や体裁よりも、情報の正確性や充足度、理解のしやすさだ。
一方、理想的な資料の条件では、「業務の全体像がわかる」が56.5%で首位となり、「要点がまとまっている」が55.5%、「情報が網羅的」が51.5%で続いた。「検索性が高い」は43.5%、「フォーマットが統一」は38.5%だった。全体像と要点、網羅性の3項目は、いずれも半数を超えた。形式の統一だけでは足りず、正確な内容を探しやすく整理し、業務の背景まで把握できる構成が求められた形だ。
引き継ぎで困った経験を問う設問では、「全体像がつかめず」が38.0%に達した。理想の条件に全体像が挙がった結果と重なり、個別手順だけでは業務理解に足りない状況を示した。今後求められるのは、単なる手順の記録ではなく、業務全体を体系的に理解できる知識基盤としてのマニュアルだ。
調査結果から見えてくるのは、マニュアルの未整備という問題よりも、作成後にも定期的な更新がなく、実態との乖離が生じる運用上の限界だ。断片的な手順を担当者が随時書き足す運用において、全体像と網羅性の両立が難しく、更新が止まれば古い情報や誤りが残りやすい。同社は、資料を維持するには、業務知識を体系的に集め、変化に応じて更新する仕組みが必要とまとめた。
なお、今回の調査は2026年2月24日~3月6日にかけてインターネットで実施された。対象は従業員1000人以上の大企業に勤務する管理職(課長職以上)で、有効回答数は200件。回答者の年齢構成は30代以下が15.5%、40代が33.0%、50代が33.5%、60代以上が18.0%。業種は製造業が32.5%、情報通信が15.0%、金融・保険が12.5%、サービスが10.5%、その他29.5%だった。
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