勘定系システムを自ら運用している伊予銀行がSoEとのAPI連携基盤を構築した。その狙いとは何か。アーキテクチャと今後の展望、そして初めて挑んだアジャイル開発の実際のところを聞いた。
伊予銀行は「瀬戸内圏域お客さま満足度No.1の金融サービスグループ」の実現に向けた10年ビジョンを策定した。そのセカンドステージとして、2018年度中期経営計画(2018年4月1日〜2021年3月31日)の下、「Digital-Human-Digital Bank」を新たなビジネスモデルに掲げて成長トレンドへの転換を推進している。
Digital-Human-Digital Bankは、顧客との日常的な接点や事務などのデジタル化をさらに進め、人が担うべき業務をこれまで以上に強化するという。「デジタルタッチポイント」「ヒューマンコンサルティング」「デジタルオペレーション」の3つのサイクルを回すことで、人とデジタルテクノロジー双方の利点を生かした新たなビジネスモデルの構築を目指す。
この計画を支えるICT戦略として、伊予銀行は既存のシステム基盤の改良、高度化に加え、デジタル技術を活用した新たなサービスやチャネルを創造している。顧客との最適なコミュニケーションをさらに拡大する目的だ。具体的には、API活用による新サービスの創出やキャッシュレス決済サービスの拡充、Webページやスマホアプリなど非対面チャネルの拡充、データベースマーケティングの高度化、チャネル間連携などの施策を展開してきた。
こうした取り組みとともに、伊予銀行はメインフレームの勘定系システムと各チャネルのSoE(System of Engagement)との連携基盤として、新たにWeb連携ゲートウェイを構築。勘定系システムのデータをオープンな環境から参照、更新可能にしたという。伊予銀行 システム部長の稲田保実氏、同行 システム部課長の井上浩一氏に、その狙いとアーキテクチャ、今後の展望、初めて挑んだアジャイル開発の実際のところを聞いた。
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