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都内7カ所で検証、モバイルブロードバンドの実力IT導入完全ガイド(1/4 ページ)

社外から業務を遂行する機会も増えている昨今、モバイルブロードバンドサービスも進化を続けている。都内7カ所で実際にモバイルアクセスし、その実力を検証した。

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 モバイルファーストの考え方が広まりつつある現在、社外からネットワークを介して業務を遂行することも日常的になりつつある。各通信キャリアが提供しているモバイルブロードバンドサービスも進化を続けている。今回は、現在提供されているモバイルブロードバンドサービスの基本的な違いを紹介しつつ実際に街中で利用することで、あらためてその実測値を示してみたい。

モバイルブロードバンドの種類と利用方法

 「モバイルブロードバンド」とは、ノートPCやタブレット、スマートフォンといった各種モバイルデバイスを、外出先などでインターネットに接続する無線データ通信サービスの総称だ。

 現在、モバイルブロードバンドのインフラとして用いられている通信方式には、大きく「LTE(Long Term Evolution)」と「WiMAX」の2つがある。LTEを採用している主な通信キャリアがNTTドコモとKDDI、ソフトバンク、イー・アクセス、WiMAXを採用しているのがUQコミュニケーションズだ。ただし、KDDIもMVNO(仮想移動体通信事業者)としてUQコミュニケーションズのWiMAX通信サービスを提供している。

 今のところ、どちらも通信速度に大きな違いはない。ただ日本においてはWiMAXの使用周波数帯が全て2.5GHz付近と比較的高めであることから、周波数の特性上では鉄筋コンクリートの建物などでは屋内まで電波が届きにくいともいわれている。

 ちなみにWi-Fiの公衆無線LANサービスもモバイルブロードバンドに近いサービスといえるが、屋内に設けられたアクセスポイントの通信カバー範囲は非常に限られ(半径数十メートル程度)ており、基本的に定位置で使うサービスだといえる。

図1 さまざまなモバイルルーター
図1 さまざまなモバイルルーター。屋内での固定利用タイプ(左端)だけでなく、電源や有線LANと接続できるクレードル(左から2番目)も提供されている(出典:UQコミュニケーションズ)

 モバイルブロードバンドを利用するのに必要なデバイスの種類には、モバイルルーター型、USB接続型、PC内蔵型などがある。また、昨今ではスマートフォンでのテザリングでも手軽にモバイルブロードバンドの利用が可能になった。ただ、スマートフォンのテザリングはバッテリーの消費が大きいので、頻繁に利用する場合には不向きかもしれない。

 なお、USB接続型とPC内蔵型は使用できるモバイル端末との関係が1対1となるので、利用する端末を限定せずに、もしくは複数台同時でも利用したいのであれば、モバイルルーター型を選択するのが現状ではベストだといえるだろう。

各キャリアが提供を開始する「100Mオーバー」モバイルブロードバンド

 今回、特に紹介したいのが、ここにきて各キャリアが注力し始めている100Mbps超のモバイルブロードバンドサービスである。理論値だけを見れば光ファイバーをもしのぐ超高速モバイルブロードバンドは、現時点(2014年1月)で以下のサービスが存在している。

表1 100Mbps超の各社モバイルブロードバンド一覧
表1 100Mbps超の各社モバイルブロードバンド一覧。※「WiMAX」の場合は使用年数に関係なく速度制限なし、下り最大40Mbps

 このうち、NTTドコモとソフトバンクモバイルについては、現在のところ最大速度での利用が可能なサービスエリアは限られている。ドコモが首都圏、東海、関西地区の一部、ソフトバンクモバイルは群馬、千葉、埼玉、東京、神奈川の一部地域のみとなっている。また利用できる端末も、どちらも2013年冬モデルの一部となっている。ただし、NTTドコモの場合、それ以外のLTEカバーエリアでの下りの最速は112.5Mbpsなので、いずれにしても100Mbps超のモバイルブロードバンドということになる。

 ちなみに現状国内最速となる、下り最速150MbpsのXiだが、この速度を可能にしているのが「クアッドバンドLTE」という技術だ。これは、従来同社が使用していた800MHz、1.5GHz、2GHzという周波数帯に、2013年9月から新たに1.7GHzの周波数帯が加わり、この4つの周波数を効率的に利用する技術となっている。150MbpsのXiでは、1.7GHzの周波数帯で20MHz幅の周波数を同時に使用しているため、こうした技術が有効となってくるのである。

図2 クアッドバンドLTE
図2 クアッドバンドLTE(出典:NTTドコモ)

 もっとも、各キャリアとも現状のサービスエリアを拡大しつつ、さらなる高速化を図っていく計画を打ち出している。例えば、UQコミュニケーションズの場合、現状の端末側と基地局側でそれぞれ2つずつのアンテナを使用する2x2MIMOを拡大し、4つずつのアンテナ構成となる4x4MIMOを採用することで、下り最大220Mbpsという業界最速のサービスを2015年度中にも開始する予定だ。

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