「テープ vs. HDD」メリデメ徹底解説:IT導入完全ガイド(4/4 ページ)
なぜ今、「磁気テープ」が復権しつつあるのか。HDDにその地位を奪われたかに見えたものの、データ量が増大するにつれ再び脚光を浴び始めた理由に迫る。最新動向やHDDとの違いなどを詳しく解説する。
磁気テープに関しては、多くの部分がLTOに集約されてきており、テープそのものを選ぶ選択肢がなくなってきている。そこで、磁気テープを利用する際に必要になる装置の中からテープライブラリの選び方について見ていこう。
スケールアウトしやすいか
最近では、NASをはじめとするストレージは簡単に拡張できるスケールアウト型モデルが増えており、当然テープライブラリでもスケールアウトしやすいものが便利だろう。数年後には今よりも大容量のデータを扱うことが想定されるため、将来も考慮に入れて拡張しやすさに注目したい。
例えば、特殊なドライバーを使うことなく物理的にケーブルをつなげるだけで拡張できるものであれば、わざわざエンジニアを手配することも不要となりコストも抑えることが可能になる。スケールアウトのしやすさは必ずチェックしよう。
フェイルオーバーに対応しているか
テープライブラリ装置はロボット機構で磁気テープをスロットに運ぶことで大容量の磁気テープが管理できるようになっているが、装置の一部が動かない場合にどうフェイルオーバーできるのかはしっかりと見ておきたい。通信ケーブルや電源などが冗長化されているか、データパスがうまく通じない場合に備えてデュアルポートで切り替え可能かどうかなどにも注目したい。
最近では、テープドライブのポートを通じてロボットをコントロールするADI(Automation Drive Interface)ブリッジが主流となっているが、この場合1つのドライブが壊れてしまうとロボットそのものがコントロールできなくなる。そこで、複数のドライブでフェイルオーバーする機能を持った製品もある。なお、ロボットそのものの冗長化については高額なテープライブラリしか対応できていないケースが一般的だ。
使いやすさや投資保護を考慮しているか
データ容量は年々増えるものの、管理コストを増やすことができない昨今では、使いやすさの追及は必要不可欠だろう。そこで、テープライブラリの稼働状況が一目で分かるダッシュボード機能に注目したい。自動的にレポートが飛んできたり処理の状況が可視化できたりなど、日々の運用を楽にしてくれるダッシュボードはしっかり確認しよう。
また、これまで使ってきたドライブモジュールなどが最新のテープライブラリにも利用できるような、投資保護に貢献してくれる製品を選べば、無駄な投資を抑えることができるはずだ。将来的な視点でもしっかり製品を見ておきたい。
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