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マイナンバー制度が企業に与えるインパクトすご腕アナリスト市場予測(3/5 ページ)

2013年5月に成立した通称マイナンバー法。企業にどんな影響があるのか、その基礎知識とともにその対応について徹底解説する。

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企業への影響とシステム改修のポイント

 先ほど触れた通り、一般の事業会社でもマイナンバー制度への対応が必要となる。新たに必要となるのは、主に「税・社会保障関係書類へのマイナンバーの記載」「従業員の本人確認とマイナンバーの受付」「特定個人情報の厳格な管理」の3点だ。

事業会社におけるマイナンバー制度対応項目
図2 事業会社におけるマイナンバー制度対応項目。金融機関においては、顧客のマイナンバーを法定調書に記載する必要がある

(1)税・社会保障関係書類へのマイナンバーの記載

 これまで企業から提出していた従業員の税関係、社会保障関係書類には、原則的にマイナンバーを記載していく必要がある。例えば、給与所得の源泉徴収票や健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届など、数百種類に渡る調書類について、新たにマイナンバーの記載が求められることになるはずだ。

 なお、アルバイトであっても上記調書が発生するものについては、マイナンバーの記載が必要となる。

(2)従業員の本人確認とマイナンバーの受付

 上記調書にマイナンバーを記載するためには、企業は従業員本人からマイナンバーを告知してもらう必要がある。この際、単にマイナンバーの告知を受けるだけではダメで、通知カードと身分証明書など、あるいは個人番号カードの提示により、従業員の本人確認を行わなければならない。

(3)特定個人情報の厳密な管理

 先に述べた通り、特定個人情報はプライバシー侵害リスクが高い情報であり、漏えい時の罰則についても従来の個人情報に比べ強化されており、直罰、両罰規定が設けられている。

マイナンバー制度の罰則規定
表1 マイナンバー制度の罰則規定。直罰規定は、違反行為に対して監督省庁などの指導などのプロセスを経ることなく、即時に罰則が適用される(個人情報保護法は、指導に従わない場合に罰則が適用される、間接罰方式)。両罰規定は、従業員による違反行為に対して、違反者のみでなく法人などの事業主体にも罰則が適用される

 このような背景から、特定個人情報はかなり厳格な管理を行う必要が出てくる。目的外利用の禁止が求められるため、特定個人情報についてはたとえ従業員同士であっても参照できる状態を避け、必要がなくなった時点で破棄する必要がある。

 具体的には、特定個人情報が記載された情報については、電子であっても紙であってもきっちりとアクセスコントロールをすること、そして、特定個人情報の保管期限が過ぎた場合には当該情報を破棄することが求められる。

 後者については、従業員の退職等に合わせて、その従業員の過去分の法定調書を書面の法定保管期限に合わせて破棄していく必要がある。これまで業務ごとに管理していた書面については従業員個人単位でも管理していかなくてはならず、人事系の業務プロセスが大きく変わる可能性がある。

 なお、上に述べた(1)〜(3)については、社員、アルバイトだけではなく、士業、講演者等の雇用以外の報酬の支払対象者にも対応が必要になるため注意したい。

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