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マイナンバー制度が企業に与えるインパクト:すご腕アナリスト市場予測(4/5 ページ)
2013年5月に成立した通称マイナンバー法。企業にどんな影響があるのか、その基礎知識とともにその対応について徹底解説する。
システム影響の勘所
企業はマイナンバー制度に対して、以下の様なシステムの改修を行う必要がでてくると思われる。
- 人事給与システムの改修(本人確認書類の保管、税・社会保障関係調書へのマイナンバー記載)
- 委託先管理システムの改修(報酬の支払調書へのマイナンバー記載)
- マイナンバー記載調書の電子管理システムの導入(マイナンバー記載調書のライフサイクル管理)
特定個人情報の漏えいや目的外利用を防ぐためには、既存システムにマイナンバーのためのデータ項目を単に追加するのではなく、マイナンバーへのアクセスについて、厳格なアクセスコントロールを実施できる仕組みを導入しなくてはならない。
マイナンバーを取り扱うシステムには、以下が求められると思われる。
- マイナンバーにひも付く業務やデータを、そうでないものと明確に分離する
- 特定個人情報を閲覧できる人は、当該業務に関わる人物のみとする
- どの特定個人情報を誰が閲覧したかについてログを保管する
- 退職や法定保管期限に合わせて、特定個人情報の破棄を行う
金融機関への影響
ここまで一般の事業会社への影響を述べてきたが、マイナンバー制度は金融機関にも大きく影響する。現在個人顧客単位の法定調書を作成している金融サービスについては、マイナンバーを法定調書に記載していかなければならない。
証券口座、銀行投信/公共債口座については、2016年1月から3年以内に各投資家からマイナンバーの告知を受け、口座に対してマイナンバーをひも付けていかなければならない。保険については、保険金支払い時にマイナンバーの告知を受ければよいのか、制度開始時から既存契約に対してマイナンバーの告知を受けなければならないのかは、今後出てくる省令で明らかになってくる。
なお、銀行の預金口座については、2018年以降にマイナンバーとひも付けていくことが検討されている。
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