サーバ移行の第4の選択肢、IaaS最新事情徹底解説:IT導入完全ガイド(4/5 ページ)
Windows server 2003サポート終了を前に、移行の選択肢の1つとしても考えられるIaaS。20社の比較表一覧や事例から、IaaSの最新事情を分かりやすく解説する。
運用のしやすさ、操作性で選ぶ
運用管理負荷からの解放を望んでのIaaS利用では、特に中堅・中小企業の場合、専門技術者ではなく現場の業務担当者が管理を兼任することも多い。その場合に運用管理のしやすさは重要な指標になる。
全てをWebブラウザから行えるサービスもあれば、管理用APIを利用して外部からコマンドで操作できるものもある。クラウドコントローラーと呼ばれるツールを使えば、各社のIaaSを同一画面から選択して環境構築することも可能になる。ただしGUIとAPIには各社それぞれに違いがあり、試してみないと分からないことも多いようだ。
図3〜9に、IaaS 2社の環境作成画面例を示す。このように明快なビジュアルなら、専門技術者でなくとも使いたくなるのではないだろうか。
図5〜9のようにして一連の環境追加作業が済んだら、同じ管理画面からサーバを起動し、必要な設定やソフトウェア導入などの作業を行うことになる。基本的にはリモートデスクトップによるサーバ画面と同じなので、後は普通のサーバ管理操作をすればよいわけだ。
また、従量制で利用する場合も多いIaaSだけに、金額の見積もりが簡単にできるかどうかも大事な部分だ。IaaS業者の多くはWebサイトで単価を公表しているが、あらかじめ条件を設定して仮の見積もりをユーザーが計算できると便利だ。料金シミュレータを用意している業者のサイトでは、自社の条件を設定して1カ月の利用料金を計算できるので利用したい。
なお、運用管理面で注目したい機能の1つは「オートスケール」(条件に合わせた自動分散技術)機能だ。Webサーバのようにサーバを分散すれば全体の処理性能が台数に比例して上がるようなサービスでは、アクセス量やサーバ負荷をモニターして、負荷上昇時に迅速にサーバを増やすべきだが、夜間などに技術者がいない状態でも適切に台数追加、負荷分散できるようにするには、オートスケール機能があると効果的だ。
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