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自動化に大きく舵を切る「ストレージ管理」はどこへ向かう?IT導入完全ガイド(2/4 ページ)

クラウドコンピューティングの進展やフラッシュストレージなど新たなストレージの台頭により、ストレージ環境は劇的な変化の中にある。「ストレージ管理ツール」の最新動向に迫る。

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ストレージ管理機能を持つ4つの製品群

 ストレージ管理機能を持つのは、主に4つの製品群が中心だ。

 まずはストレージそのものに付属して提供される管理ツールで、ハードウェアと密接に連携しながら動作するもの。ハードウェアから詳細な情報を収集できるようになっており、ストレージそのものの負荷はもちろんのこと、スイッチも含めた周辺の機器における負荷も同時に判断しながら最適化が実現できる。それ故、スイッチも含めてストレージ全体を垂直統合型に提供するベンダーが力を入れている。なお、モバイル対応した画面を提供するベンダーもある。

ストレージ管理機能の画面モバイル画面 図1-1 ストレージ管理機能の画面、図1-2 モバイル画面(出典:日本IBM)

 次に、さまざまなストレージベンダーのハードウェアを仮想的なプールとして管理できるソフトウェアやアプライアンス製品群だ。これらの製品はマルチベンダー環境で動作させられ、ベンダーロックインを回避するには最適な選択肢となる。

 ソフトウェア製品では、ファイバーチャネルなど標準的なプロトコルやSCSIなど一般的なコマンドを駆使して異なるベンダーのストレージを柔軟に管理できる。

サーバ管理画面例利用状況管理画面例 図2-1 サーバ管理画面例、図2-2 利用状況管理画面例(出典:シマンテック)

 3つ目は、統合運用管理ツールが持つストレージ管理機能だ。ただ、統合運用管理ツールの場合は上記に示したような詳細な領域まではサポートしていないことも多く、何か障害が発生したときにSNMPトラップを受けて管理画面上で通知するといったシンプルな機能までだ。前述した2つの製品群と連携させることで統合的な管理基盤として活用できる。

 そして最後に、UNIXやLinuxなどOSに備わっている仮想ストレージプール機能だ。SolarisではSolaris ZFSと呼ばれるファイルシステムを利用することでストレージプールが形成可能で、LinuxであればLVM(Logical Volume Manager)と呼ばれるディスク管理機能を利用することでストレージを柔軟に管理できる。

コラム:ストレージ管理の標準プロトコル「SMI-S」はどうなった?

 ストレージに関する標準的なインタフェースとして、2003年にSNIA(Storage Networking Industory Association)によって「SMI-S」(Storage Management Initiative - Specification)と呼ばれるものが定義された。

 異なるベンダーのSANストレージに標準的なインタフェースを与えるものとして、当時は注目されたが、今ではクラウド関連の新たなテクノロジーなどが話題の中心となり、各ベンダーとも積極的な対応には至ってないのが実態だ。現状、標準的なものとして現存することは間違いないので、頭には入れておこう。

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