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盛り上がるクラウド型CAD、企業の枠を超えたコラボも可能に:IT導入完全ガイド(2/4 ページ)
リーマンショック以降、日本の製造業は非常に厳しい状況だった。アベノミクス効果も手伝い、ようやく設備投資が回復してきた。連動する形でCAD市場も好調だ。
3DCADともシームレスに連携し、企業全体のビジネス基盤にもなり得るPaaS
2014年に入って国内で発表されたクラウド型CAD関連ソリューションで、PaaSとして提供されるサービスがある。
具体的には、機械系の3DCADを利用するための標準機能、例えば各種情報を一元的に確認できるダッシュボードやコラボレーション用の社内SNS、3Dデータのビュワー、オンラインストレージなどの機能が搭載され、実際のCADアプリケーションがPaaS上で稼働する。厳密にはクラウドサービスとしてだけでなく、オンプレミス環境でも利用できる。
ただし、3DCADの利用に当たっては、ハイスペックなマシンが要求されるため、設計者が3DCADアプリケーションを自分の端末にインストールして作業を行い、設計データをクラウド上に保存する形態だ。
こうしたプラットフォームの導入によって、営業担当者から設計者、生産現場までが1つの基盤の上でシームレスに、リアルタイムに連携できるようになり、顧客の声を起点としたものづくりをスムーズに実現できる。
さらにこのプラットフォーム上に基幹システムも載せれば、企業全体のビジネス基盤とすることも不可能ではない。クラウドサービスなので、その利用も社内だけにとどまらず、産官学共同のプロジェクトなど、企業や組織の枠を超えたコラボレーションにも活用できる。
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