2014年、ネットワーク機器進化論:すご腕アナリスト市場予測(3/5 ページ)
モバイルやソーシャルなどが全盛の今、スイッチやルーターなどネットワーク機器の市場はどう変化したのか。動向を探る。
ADC市場は需要一巡、しかし2015年からのは継続的に成長の見込み
ADC市場は2010年から急速に成長してきたが、2013年には通信事業者向け需要が一巡し、それまで市場の中心を担ってきた移動体通信事業者のLTEサービス展開や急速なトラフィック増加への対応のための導入が一段落したことを反映して、通信事業者向けは前年比6.8%減のマイナス成長を記録した。市場全体で見ると、市場規模は前年とほぼ変わらず244億4600万円となっている(図2)。
一方で、通信事業者向け市場以外では成長が続いており、2013年も前年比成長率が3.8%と堅調な拡大を見せている。これはクラウドサービス事業者やスマートフォン向けサービス提供事業者などの導入が継続して拡大していることと、景気回復に伴う一般企業の需要が高まっていることが影響している。
短期間の停滞はあっても、仮想化やクラウド環境の整備は今後も積極的に推進されることは間違いなく、ADCの需要は今後も高まる。2014年は前年比9.6%増の267億8,200万円の市場規模となると予測しており、2013年〜2018年の年間平均成長率(CAGR)は6.5%にのぼると見込まれる。
需要拡大の中心になるのはハードウェア製品で、プラットフォームの優位性を生かしつつ、セキュリティとアプリケーションパフォーマンス最適化といった適用領域の拡張により、継続的な市場成長の原動力になると思われる。ソフトウェア製品の売上はあまり多くないものの、クラウド基盤に適用できるマルチテナント型、マルチコンテキスト対応製品は伸びている。
ADCは、コモディティ化の進行が他の製品に比較して緩やかだ。今後活用が広がるクラウド環境において、ADCの能力はますます重要になる。
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