クラウドで息を吹き返した「Webサイト監視ソリューション」:IT導入完全ガイド(2/4 ページ)
SIerによる手厚いサポートから自前での管理が求められるクラウド時代。だからこそ必要な「Webサイト監視ソリューション」が具体的にできることを紹介、ソリューション選びの勘所を解説する。
Webサイト監視ソリューションの機能
Webサイト監視ソリューションの最も基本的なサービスとなるのが、サーバやネットワーク機器に対して送信要求がないかを確かめるポーリング監視だ。監視可能な項目としては、Ping監視、ポート監視、DNS監視、HTTP監視、HTTPS監視、SMTP監視、POP3監視、IMAP監視、SSL証明書有効期限監視、メール送受信監視などがある。これらの監視項目は、企業のニーズに応じて自由に選ぶことができるのが一般的だ。
続いて、企業側が想定するWeb画面の遷移シナリオが正常に動作しているかを確認するシナリオ監視を提供しているベンダーもある。この場合、監視はベンダーのツールによって行われ、障害時にはベンダーの監視スタッフが障害状況を目視で確認することになる。
さらに、監視ツールでは対応できないような、より複雑な操作に対するWebサイトの稼働状況を監視するために、ベンダーの監視スタッフが直接目視によって画面確認を行う目視監視サービスを提供するベンダーもある。この場合、画面遷移だけでなく文字列入力応答の確認なども可能だ。一般的なWebブラウザ上での操作では完結できないオンラインゲームサイトなどは、このサービスを利用することが多いという。
障害発生時には、ベンダーのオペレーションセンターに常駐する監視スタッフが障害を切り分けた後に、企業側の担当者へと電話やメールで通知する。前述のように障害対応までをサービスに含めるもしくはオプションとして提供するケースも多く、この場合にはあらかじめ手順化された障害復旧やリモートオペレーション操作が実行される。
例えば、OSやプロセスの再起動、バッチジョブの成否確認や再実行、バックアップジョブの成否確認や再実行、HA構成の手順切り離しなどの操作だ。障害の通知先をユーザー企業の担当者に限らないサービスもある。こうしたサービスでは、障害発生時にベンダーのスタッフが、保守ベンダーへの駆け付け依頼やデータセンターのオペレーターへのオンサイトの依頼や指示も行う。
また、最近ではAWSに特化した運用監視サービスを利用する企業が増えた。あるサービスの場合は、システム監視を実行する仮想アプライアンスのインスタンスを、オペレーションセンター側とAWS側のそれぞれで稼働させることで、システム視点での監視、障害対応、運用(AWS側)と利用者視点での監視(オペレーションセンター側)の双方を実現する。AWSとオペレーションセンター間はVPNで接続することでセキュリティも確保する。
このように、Webサイト監視サービスでは、ベンダーが有するオペレーションセンターの質が肝となる。あるベンダーの場合、ユーザー企業にとっても情報システム部門の一員とみなしてもらえるよう、サービスのキックオフ時にはオペレーションセンターのスタッフも顔を出すという。
またこのベンダーのサービスでは、スタッフによる一連の対応を企業側担当者とのやりとりの内容も含めて全て記録し、Webポータルサイトから監視データや対応ログを全てひも付けて共有できるようにする。
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