統合運用管理ツールの導入状況(2014年):IT担当者300人に聞きました(5/5 ページ)
統合運用管理ツールの導入率は全体で25.8%。今後導入を検討する企業では、セキュリティ強化も併せてもくろむ声が多数聞かれた。
導入しない理由1位は「メリットが不明確」
最後に、統合運用管理ツールを「導入しない理由」を尋ねた。その結果、1位が「運用管理を統合するメリットが不明確」で36.4%、同率2位が「管理する規模が小さい」「導入コストが高い」で34.5%、4位が「運用コストが高い」で25.5%、5位が「機能が使いこなせない」で20.0%という結果となった。コストがネックで導入しないと回答する人も少なくないが、そもそも運用管理を統合するメリットが理解されていない現状が明らかとなった。
最後に、全員に「統合運用管理ツールに関する課題や悩み、要望」について尋ねた。「統合運用管理ツールは重要だがやや複雑。ベンダーにはユーザーに対して分りやすい説明、資料をそろえることを期待している」「機能が多すぎたり、少なすぎたりと製品の比較が難しい」といった、統合運用管理ツールに対する分かりにくさを指摘する声や、「ツール適用時に性能への影響が事前に分からない。サーバOSごとに使える機能が制限される」といった仕様上の課題や「障害の予兆を検出するツールが欲しい」といった要望も聞かれた。
また、「運用管理ツールは大規模システム構成に向くが、小規模なシステムとなるとコスト高になり導入が難しい」「中小企業では導入コストに見合う効果が出ない」といった中小企業では不向きと考える声も聞かれた。
さらに、「資産管理ツールでネットワークを管理しているが、業務ソフトでクラウドサービスの利用が拡大しているため、次期更新時には対応を強化する必要があると考えている」といった声も聞かれた。今後、コスト削減を目的として、さまざまなシステムでクラウド環境への移行が進むことが予想される中、オンプレミス環境とクラウド環境双方を包括できる統合運用管理ツールのニーズも高まることが予想される。環境変化に伴い、IT部門は管理が煩雑にならないよう、ツールの選定時には、管理する環境の変化を検討した上で、より有用な統合運用管理ツールを選定してほしい。
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