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入退室管理システムは、東京五輪で対策必須?IT導入完全ガイド(2/4 ページ)

相次ぐ異物混入事件や内部者による情報漏えい事件。情報システムだけでなくファシリティ面も含めたトータルセキュリティ対策が必須となった。

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低価格化で人気を集める生体認証

 これまで生体認証には、コストが高く、空港などの最重要施設に用途が限られるといったイメージがあった。しかし昨今、装置の普及に合わせて高機能化と低価格化が進んだことから、研究所やサーバルームなど機密性の高いエリアを中心に導入する企業やATMなどの本人確認に利用されるケースが増えた。

 ICカードのように他人への貸し出しや紛失による「なりすまし」が発生するリスクが低いため、ICカードの穴を埋めるような併用した使い方が一般的だ。

手のひら静脈認証装置
図3 手のひら静脈認証装置(出典:セコム)

 生体認証にもさまざまな種類があるが、最も普及しているのが指紋を使った認証だ。指紋認証には低価格かつ装置も小型で済むというメリットがある一方で、生まれつき指の表皮が薄い人や手が乾燥している人、また工場などで扱う薬品のため指紋が消えた人などを認証しにくいという欠点もある。

 一方で、指紋よりも受容性が高く高精度な、指や手のひらの静脈を使った静脈認証も、コストの低下を受けて人気が高まっている。他にも低コストかつ高セキュリティな認証方式として真皮の指紋データを読み取る、指透過方式を採用するベンダーもある。

生体認証の種類と特徴
表1 生体認証の種類と特徴(出典:三菱電機)

東京五輪に向けて注目を集める顔認証

 生体認証のうち顔認証については、入室を許さない人間のみ検知する「ブラックリスト方式」には適していても、入室を許可する人間を確実に見分ける「ホワイトリスト型」の運用には、これまでは精度の面から適さないとされていた。

 しかし、技術の進化により認証精度が向上し、また認証に要する時間も大幅に短縮されたことから、ここに来て顔認証システムへの注目度が高まっている。特に2020年に開催される東京オリンピックに向けて、公共施設を中心にニーズが高まるのが確実なことから、さらなる性能向上と低価格化が期待されている。

 顔認証のメリットは、何といっても立ち止まらずに歩いたまま認証を行えることにある。機器にカードや手をかざす必要がないため、工場や倉庫、病院、福祉施設など、両手がふさがったまま入退出しなければならないケースが多い施設では特にメリットが大きい。

 さらに、複数人の同時認証を可能にしたソリューションも出てきており、人の出入りが激しい施設などで、スムーズな流れを実現することが期待される。

歩いたまま自動的に認証が完了する顔認証システム
図4 歩いたまま自動的に認証が完了する顔認証システム(出典:セコム)

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