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目指すは自己解決、事例で見る「FAQシステム」最前線IT導入完全ガイド(5/5 ページ)

問い合わせが多種多様になる中、スピードと品質が必須の顧客対応。しかしFAQシステムのメンテナンスコストは高く、承認プロセスが複雑との問題もある。

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FAQコンテンツの作成はしやすいか

 FAQシステム導入の最終目的は、ユーザーの自己解決率を高め、顧客満足度の向上につなげることだが、そのためにまず重要となるのが、FAQコンテンツを提供する企業側の作業効率を高めてくれる機能の使い勝手だ。

 HTMLの知識がなくてもユーザーサポート部門が自分たちでFAQコンテンツを作成できる機能やマルチデバイス対応の機能が提供されていれば、いちいちIT部門に頼まなくても、コンテンツの修正/追加を行うことができ、よりスピーディなブラッシュアップが可能となる。それがひいては顧客満足度の向上にもつながるのだ。

 また顧客満足度を高めるためには、彼らが必要とするFAQをタイミングよく提供していくことも非常に重要だが、推奨コンテンツを人手でレイアウトするという作業を行っていたのでは、効率よくPDCAサイクルを回していくこともままならない。そこで、推奨コンテンツの自動並べ替え機能や、コンテンツ更新のスピードアップを支援するワークフロー機能などが提供されているどうかも、重要なチェックポイントとなる。

FAQサイトとコンタクトセンタとの連携は可能か

 現在Webサイトとコンタクトセンタとで異なるFAQの仕組みを持っているという企業も多いのではないだろうか。基本的に前者はノンボイス、後者はボイスでの対応となり、両者を完全にシームレスに連携するためには、コンタクトセンタで録音されたユーザーとオペレータとの音声によるやりとりをテキスト化するという作業を行わなければならない。これは非常にハードルの高い取り組みだ。

 そこで現在、最も現実的な両者の連携方法としては、Webサイト用のFAQコンテンツとして作成したFAQを、コンタクトセンタのオペレータが問い合わせに対応しながら閲覧できる仕組みの構築だ。先に図1として紹介した概要図がまさにこれで、全社で一元的に管理されたFAQを、社外ユーザーも、コールセンタのオペレータも利用できるようになっている。

 さらに最近では、コールセンタに問い合わせをしてきたユーザーが現在見ている画面を、オペレータ側でも見ながらサポートできる機能を提供するFAQシステムもある。問い合わせが発生しそうなページに画面共有を開始するためのボタンを設置しておき、それをユーザーがクリックして表示される数字を合鍵にして、オペレータがファイアウォール越しに接続をして画面を共有する。課題解決までの時間短縮とオペレータの対応コスト低減を図り、ユーザーと企業の双方にメリットもたらしてくれるものだ。

コ・ブラウズ機能
図6 オペレータがユーザー画面を共有できるコ・ブラウズ機能(出典:日本オラクル)

ユーザーがFAQを探しやすい、あるいは自己解決しやすい機能が提供されているか

 この項目については、前段でも紹介した言語理解エンジンによる高度検索機能や人工知能による推奨FAQのリコメンド機能、検索サジェスト機能などが挙げられる。またユーザーの利便性も探しやすさの1つの要素と捉えるなら、PCサイトだけでなく、スマートフォンやタブレット端末からの利用を前提としたデザインが提供できるかも、重要なチェックポイントになるだろう。

FAQコンテンツ改善のPDCAサイクルを支援する機能や体制が提供されているか

 ユーザーの自己解決率を高め、顧客満足度の向上を実現するためには、現状のFAQコンテンツの問題点を明らかにし、具体的な改善策を見つけるためのサジェスチョンを提供するレポート機能が非常に重要な鍵を握ることになる。事前定義済みのレポートフォーマットが数百パターン以上、用意されているサービスもある。

 さらにはFAQシステムが提供する機能だけでなく、レポートを使ってどんな改善策を実施すればいいのかなどの人的な支援までしてくれるベンダーなのかどうかも、サービス選定時の重要なポイントだ。

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