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次世代BI「データディスカバリツール」、これまでのBIとの違いは何?IT導入完全ガイド(1/5 ページ)

次世代BIともいわれるデータディスカバリツール。しかし「BIとの違いって何?」という声は多い。基本的な考え方から事例で読み解く。

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 昨今の激変する市場環境や、予測困難なビジネス環境の変化に対応するため、従来のビジネスインテリジェンス(BI)システムよりも迅速かつ手軽にデータを分析でき、さらには有益な洞察(気付き)を発見できる仕組みとして「データディスカバリツール」が注目されている。具体的にデータディスカバリツールは従来のBIとどんな点が違っており、どんなメリットを提供するのか。基礎からじっくり解説しよう。

データディスカバリツールとは?

 今日の企業では、急速に変化するビジネス環境に対応した意思決定の迅速化が急務となっている。経営者のみならず、さまざまな現場のビジネスユーザーがその時々の局面において的確な判断を行うためには、大量かつ鮮度の高いデータが欠かせない。

 だが、そうした中で活用されてきたデータウェアハウスやBI(ビジネスインテリジェンス)は、「どのデータを、どんな目的で、どのように利用するのか」というデータありきのアプローチを基本としており、要件定義から設計、構築までのプロセスに長期間を要する。一方で、ビジネスユーザーが抱える課題や求められるデータもどんどん多様化している。

 融通の利かないデータウェアハウス&BIのみでは、ビジネスユーザーのニーズの変化に柔軟かつスピーディに対応することができなくなっている。


図1 従来のデータウェアハウス&BIの考え方(出典:アシスト)

「スプレッドマート」の問題

 データウェアハウス&BIでは物足りないビジネスユーザーの間には、「スプレッドマート」と呼ばれるデータ活用が進行している。ビジネスユーザーが個別に収集したデータをExcelなどの表計算ソフトに取り込み、各自の業務目的に沿って集計や分析を行うのである。

 ただし、この方法は極めて属人的なものになりがちで、新たなサイロになってしまう恐れがある。また、データの精度も保証されず、そこから作成されるレポートや資料には誤りが含まれることも多い。

 上記のようなデータ活用の問題点を解消する方法として注目されているのが、次世代BIに位置付けられるデータディスカバリツールである。その定義をシンプルに表すならば、「ビジネス現場の課題解決を目的としたアプローチに基づき、信頼できるデータを迅速に提供する仕組み」である。


図2 次世代BI「データディスカバリツール」の考え方(出典:アシスト)

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