サービスデスクツールの効果が分かる3つの事例:IT導入完全ガイド(4/7 ページ)
エンドユーザーからのクレームや相談に対応し、システムの障害発生アラートに脅かされ、他の作業がおろそかになることも。運用管理の現場にとってサービスデスクツールは救世主となるか?
事例2:FAQ公開による自己解決で、1日の問い合わせを半減
自動車部品などを製造する国内のメーカーB社では、基幹系ユーザー部門3500人対象のサービスデスク業務を9人で担当してきた。メールや電話による問合せは1日に20件ほどあり、Excelへの手入力で管理してきたものの、問合せ情報の一元管理や進捗管理の可視化などに難があり負荷が増加、効率化を図るためにサービスデスクツールへの移行を図ることになった。
そこで注目したのは以下、図5、図6に挙げるサービスだ。まず必要最小限のライセンスを導入、部分的な利用を始め、電話対応やスタッフ個人宛てのメールを廃止して窓口を同ツールに一本化し、その運用法の浸透に努めたところ、問合せ管理工数は12%以上の削減、問合せ対応時間は10%以上の削減を実現した。
この結果を受け、同ツールの全社展開を図り、生産管理系、経理・財務など勘定系、PC操作系と対象範囲を広げている。国内4000人のユーザーが対象となったが、以前に比べ1日の問合せ件数は20件から10件へと減少しているという。
これは、同ツールのFAQ機能で社員が自分のポータル経由でFAQを閲覧、自己解決していることが要因だ。またサービス業務をITILに従って整理し直し、サービスカテゴリの下のサブカテゴリを最適に定義し、ユーザーや管理担当者のインシデントの分類に個人差が出ないような標準化ができたことも、効率アップに寄与した。さらに、進捗状況のリアルタイム把握には、レポート機能やダッシュボード機能が役だった。
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