何ができる? これから始めるBeacon初級講座:IT導入完全ガイド(5/5 ページ)
Bluetooth Low Energyの策定とAppleの「iBeacon」の登場で、屋内の位置測位や情報のプッシュ配信などへの活用が期待される「Beacon」。初めて学ぶ人向けに基礎知識を徹底解説する。
Beacon端末の運用管理をどうするのか
一般的にボタン電池式のBeacon端末は、2年程度電池交換が不要とも言われているが、実際には長くて1年、短いものだと2〜3カ月で電池切れとなってしまうものも多い。だからこそ、Beacon端末の状態管理がきっちりと行えるような仕組みがあると便利だろう。
ただし、Beacon端末自体はビーコン信号を「垂れ流している」だけのシンプルなものであり、例えばBLEであれば出力を調整することで電池の減り具合を外部に知らせることも可能だが、iBeacon規格のままでは端末の状態を外部に知らせることはできない。ただし、BLEの場合も集中管理できるような仕組みではなく、定期的にBeacon端末のそばに行って電池の残量を確認するといった手間のかかる運用が必要だ。
そこで、Wi-FiのAPにBeacon端末管理用のデバイスを取り付け、現場に設置されたBeacon端末を集中管理する仕組みを提供しているところがある。店舗に1台置いておくようなものであればさほど気にしなくてもいいが、大型ショッピングモールに大量に設置するといった使い方であれば、集中管理できる何らかの仕組みが欲しいところだ。
アプリケーションを前提に考える
Beacon端末は単にビーコン信号を出しているだけで、ある意味ノンインテリジェンスな存在だ。このBeacon端末を使って位置測位やプッシュ配信を行うためには、スマートフォンに搭載するアプリとの連携が必須になる。だからこそ、アプリケーション基盤についてもしっかりと検討しておく必要がある。
Beaconに関するさまざまなソリューションが提供されているが、どうしてもハードウェアであるBeacon端末部分が注目されやすい。しかし、実際には上で動くアプリケーションがなければ何も始まらない。だからこそ、アプリケーション開発という視点からのソリューション選びも重要になってくる。
実際にはBeacon端末だけを提供しているベンダーもあれば、アプリケーションも踏まえた開発環境を提供しているベンダー、そしてプッシュ配信できるアプリケーション中心に提供している開発ベンダーもある。各ベンダーの得意な分野がそれぞれあるように見えるが、実際には全てが有機的に連携してこそ実際のビジネスシーンで活用できるソリューションになる。そういう意味で、ソリューション全体として提供できるところがベストだろう。
ベンダーの中には、アプリケーションの知識がなくてもGUI上で写真やテキストを入力するだけで簡単なアプリが作成できるプラットフォームを提供しているところもある。言語の自動変換など、ある意味素人であっても開発できる環境がそろっている。
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