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マイナンバー制度に対応、ERPで実現する内部統制IT導入完全ガイド(2/4 ページ)

2015年10月から通知が始まるマイナンバー。制度開始に備えて全ての企業でマイナンバーへの対応が必須だ。ERPが有用となる場面と実際に役立つ機能および製品選定時の注意点を解決する。

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マイナンバーの収集や保管を支援する機能

 本来マイナンバーの収集は、ERPが関係するフェーズではない。しかし、ユーザー企業がERPベンダーに相談する内容で一番多いのが「マイナンバーの収集をどうすればいいか」という課題だそうだ。こうした声に応えるために、ERPベンダーではさまざまな仕組みを提供している。以下、管理機能も併せて紹介していく。

従業員のセルフエントリー機能

 人事部などマイナンバーの取扱い部門の収集負荷を軽減するために、標準機能としてマイナンバー収集機能を備えるERPもある。従業員自身がERPに自分の名前とマイナンバーを入力して申請し、人事部がそのデータを画面上でチェックして、問題なければ本番反映するという流れだ。この製品では、申告用のExcelを従業員に配布してマイナンバーを記載してもらい、本人確認書類と併せて返送してもらった後、人事部で身元確認をしてから一括で登録することも可能だ。

セルフエントリー機能を利用する場合のシステム全体の運用イメージ
図2 セルフエントリー機能を利用する場合のシステム全体の運用イメージ(出典:SCSK)
申告用Excelを利用してマイナンバーを収集する場合の運用イメージ
図3 申告用Excelを利用してマイナンバーを収集する場合の運用イメージ(出典:SCSK)

 また別のベンダーがERP本体とは別に提供するマイナンバー収集サービスでは、従業員の申請ミスの防止や人事部の確認作業の効率化を狙ったユーザーインタフェースが提供される。例えば「個人番号届」の入力画面(図4)には、申請者が添付した番号確認用資料のプレビューが表示されるので、添付ファイルを間違えたまま申請してしまうことが防げる。一方、人事部側の承認画面では添付ファイルをダウンロードせずに確認でき、マイナンバー登録作業の大幅な省力化が図れる。

従業員のマイナンバー入力画面例
図4 従業員のマイナンバー入力画面例(出典:ワークスアプリケーションズ)

対象者別のマイナンバー収集、保管機能

 マイナンバーの収集から保管までのサービスを、従業員や個人支払先の2つのタイプで提供するベンダーもある。ともに収集されたマイナンバーはクラウド上に保管し、ERP側でデータを持たない。給与システムや法定調書システムから必要に応じてクラウドにアクセスし、源泉徴収票や支払調書を出力する形だ。ただし役割の終わったデータの廃棄/削除はERP側からできるようになっているので非常に便利だ。

マイナンバーの収集対象別に用意された2タイプの導入モデル
図5 マイナンバーの収集対象別に用意された2タイプの導入モデル(出典:オービックビジネスコンサルタント)

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