アプリケーション仮想化の実力、IE8サポート終了の「延命策」としても注目:IT導入完全ガイド(3/4 ページ)
Windows XPやWindows Server 2003のサポート終了に続き、2016年1月にやってくる「IE8のサポート終了」。これらの延命策としてアプリケーション仮想化が再注目される。
アプリケーション仮想化が古いアプリケーションに延命に役立つことについて説明してきたが、アプリケーション仮想化では幾つかの方法でアプリケーション配信が可能となっている。ここでは大きく2つの方法があることをお伝えしよう。
サーバ共有方式(公開アプリケーション)
サーバ側にあるサーバOSやアプリケーションを複数のユーザーが共有して利用し、アプリケーションは全てサーバ側で実行される方式。入出力した結果は画面転送される形になり、CPUやメモリなどサーバリソースの利用効率が高い。コスト的にも、マイクロソフトのRDS(Remote Desktop Services)ライセンスに関連したコストで利用できるため、VDIライセンスに比べて割安に利用できる。
ただし、直接アプリケーションを利用したりサーバデスクトップを利用したりするため、これまでの使い勝手とは多少異なってくる部分はある。ただし、デスクトップ仮想化製品を利用すれば、デスクトップOSを画面転送して利用することも可能となり、使い勝手は維持したまま利用できるようになる。
VDI方式
サーバ側にクライアント1台ずつの環境を単一のEXEファイルとしてパッケージ化した状態で用意し、起動するタイミングでメモリ上にロード、クライアント側で実行可能にする方式。パッケージ化された内部に存在しないファイルへのアクセスは、サーバ側のOSにファイルアクセスを要求する形で実現する。
物理的な環境とほぼ変わらない形で動作するため、サーバ共有型でうまく動作しないアプリケーションがある場合や、利用者の使い勝手を変えたくない場合にはこの方法が適している。ただし、サーバ側に全てのクライアント環境を個別に用意するため、1つの筐体内に収まってはいるものの、サーバ共有型に比べて集約度は高くない。
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